劇場公開日 2019年9月27日

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「今日のダビデは、明日のゴリアテ」ハミングバード・プロジェクト 0.001秒の男たち ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5今日のダビデは、明日のゴリアテ

2019年9月30日
iPhoneアプリから投稿

本当に、ニュートリノ・メッセージングが出来たら凄いんだろうなとは思う。
ただ、そこに至るまでも多くのブレイクスルーがあって、今日のダビデは、明日のゴリアテだ。
ヴィンセントを演じたジェシー・アイゼンバーグはソーシャル・ネットワークでザッカーバーグを演じ、この作品のミリ秒をきざむスピードを追求する社会システムを描くという観点からすると、物凄く適役だと思った。早口でいけ好かない感じは抜群だ。

ひとつ、理解してほしい。
株の取引は、皆さんは景気だの業績だので動くのだと単純に感じているかもしれないが、こうした人より先にとか、詳しいことは避けるが違法スレスレというか、おそらく違法じゃないかと思われるようなフロントランニング的なトレードでも動いていることを理解してほしい。
ただ、同時に、長期的には企業価値やクオリティは最も重要で、適切な株価に至るまで、利益確定だ持高調整だとか、お客の新規投資や解約だとか、そういう事を見越して、悪く言えば悪さ的な事をする奴がいて、こんなことがあるのだ。
世の中では認知症にならないように手作業や指先を使いましょうとか言うわりに、hey Siriとか、OK Googleとか、Alexaとか溢れてる。
今は、企業業績なんて、PCを叩けばすぐ入手可能だ。便利になった。だから、こうした高速トレードに介在して、人の上前を「ほんのちょっぴり」はねようとする輩も多く出てくるのだ。
便利は良いが、便利の使い所が、人を怠惰にしたり、人の勉強意欲を削いだり、人をインチキっぽい行動に駆り立てるのであれば、僕はどうかと思う。

物語を通じて語られるスピードを求めることと対比するように、おそらくアーミッシュのような生活をする人達が出てくる。
その納屋で、ヴィンセントとアントンは何を考えたのだろうか。
ニュートリノ・メッセージングのことだろうか。

ワンコ