「理不尽と戦う女子の物語」Re:ゼロから始める異世界生活　氷結の絆　Geso_de_Nyoroさんの映画レビュー（感想・評価）

首都圏から地方に移住し、とかくアニメ映画作品の鑑賞に不自由する羽目になりました。ここのところ新型コロナの影響もあり更にあり付けず、そのせいでネットの配信を宛てにするしかありません。

本作は一見さんお断りの、Re:ゼロ本編を抑えていないと初見は全く付いていけまぜん。これは本編の更に前、スバル召喚前のエミリア出生の謎を少しだけ説いたお話。少しだけでその本質もパックの存在も肝心な所には一切触れず、ハーフエルフのその実やハンマというワードについても何ら説明がありません。これらはおそらく2020年夏期から開始の本編2期にも影響するから？と思われます。

正直その肝心がネタバレ防止の為伏せられているせいで、このお話は盛り上がりも感動もソコソコの資質を秘めてたものの不完全に終わってしまい、仕方ないとは言え諸々苦しい感想となります。要は順序が逆だった？かも。今の段階ではこのお話は上っ面を楽しむしか術がありません。

その上っ面は、過去の時代には当たり前に存在した『理不尽』『根拠のない勝手な決め付け』『宗教的な悪しき掟』等々と戦う女の子と、それらから彼女をかばう精霊の構図。これがまた完全にして陰湿な迫害に満ちてて、現代社会ではあり得ないながらもファンタジーヒロインには有りがちなポジションです。「生きてるだけで罪」「シネばいいのに」、そうまさしくイジメ。可哀想さに泣けてしまうお話です。
しかし結局は根拠を封印してしまってるせいでパワーも半減、エミリアたんをイジメるな！って思うほか出来ず、この採点以上の評価ができません。

本編2期を見終わった時、再度鑑賞してみるのも良いかも知れません。或いは来年のお正月上映で丁度良かったのかも？