劇場公開日 2019年8月23日

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「これもキネ旬1位…?」火口のふたり 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

2.5これもキネ旬1位…?

2020年2月8日
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鑑賞方法:DVD/BD

難しい

寝られる

萌える

話題の柄本佑と瀧内公美の濡れ場は確かに凄い。
大胆という言葉より、濃密、激しく、貪り求め合い…。
特に瀧内は全編の約半分はフルヌードでその裸体を惜し気も無くさらけ出し、可愛い役ばかりやってる昨今の若い女優なら絶対やらないような役を文字通り体当たりで! あの喘ぎ声や悶え顔は本物では?…と思えてくる。
女優魂に天晴れ!

離婚を経験し故郷・秋田に帰省した賢治は、5日後に結婚を控える元恋人の直子と再会。愛し合った記憶を甦らせた二人はかつてのように身体を重ね合う…。
キャストは柄本と瀧内の二人だけ。(電話の声の柄本の父親役は実生活と同じあの人!)
実力派の二人の複雑で繊細な演技も光る。
再会した二人の愛の彷徨。運命が微笑んでいたら、結ばれていたかもしれない…。
東日本大地震後の東北。終盤、日本が再び直面する思わぬ大災害。日本の行く末に、何処となく死生観を滲ませる。
そんな落ちゆく火口のような世界の中で、二人は…。

…と、人の深淵なる内面や男女の性愛を通して哲学を感じさせる上質な人間ドラマではあるのだが、う~ん…自分にはハマらなかった。
決してつまらなくはなかったのだが、非常に淡々と静かで、少々退屈さを感じてしまった。
昼夜問わず性欲の赴くままに、時には路地裏や長距離バスの中でも。気だるい雰囲気も含め、こりゃ完全に往年の日活ロマンポルノの世界。
匂い立つ愛とエロスの物語…と言えば聞こえはいいが、二人の関係は今何かと世間を騒がせ問題・炎上している不倫。
言わば本作は、不倫ポルノ映画である。

瀧内の主演女優賞は納得出来るが、これがキネ旬1位か…。

名脚本家・荒井晴彦の監督3作目。
脚本作では好みはあるが、どうもこの人の監督作は…。
今回も例に漏れなかった。

近大