劇場公開日 2019年8月23日

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「やっぱり荒井晴彦監督」火口のふたり chikuhouさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0やっぱり荒井晴彦監督

2019年8月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

荒井氏の80年代「キャバレー日記」(脚本)、にっかつがロッポニカになっての「噛む女」「リボルバー」(脚本)、最近の「さよなら歌舞伎町」(脚本)だって観ようによっては「娯楽」だけど、この作品も「自分もちっちゃな人間だぁ」という共感を感じて、ちょこっと前向きになりました
 登場人物は2人だけだから、じっくりと2人の動きを追っていくことができました 瀧内公美さん、一昨年の「彼女の人生は」でも東北の震災を経て、人生が大きく変わった福島の公務員の役、今回は震災の被害が少なかった秋田の住民の役  震災が「東北」と括られても、福島・宮城・岩手の大きな被害の人に対して、秋田など日本海側の被害が少なかった人にとっては、複雑な思いがあるのでしょうか  私も大阪ですが、阪神淡路大震災が関西全体というとらえ方をしないのに、東北には「東北はひとつ」といった気持ちがあるのかもしれません   そんな東北の震災の住む人々の背景が「無事でいることが申し訳ない」という思いを持たせ、彼女の人生に影響を与えているのでしょうね
ラストはみなさんが書かれているように、ちょっと希望の持てる内容で、ちょこっと前向きになりました  劇場に根岸吉太郎さんのコメント記事が貼ってあり、あの時代を思いおこさせます(8月29日 シネリーブル梅田にて鑑賞)

chikuhou
きりんさんのコメント
2023年7月31日

chikuhoさん
こんにちは、たくさん共感ありがとうございました。
じっくり映画を鑑賞なさって、そしてじっくりレビューされる素敵なお方。よろしくお願いします。

僕もレビューを上げていない作品がたくさんあるのです。心に引っ掛かっているけれど手が付けられないで悩んでいるものや、山ほどの下書きも。

片目でスクリーンを観、もう片方の目で自分の人生を見ているものですから。
レビューというより日記。自省録ですね。

きりん