劇場公開日 2019年6月7日

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「しまった!字幕で観るべきだった・・・」アラジン メントール犬佐さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5しまった!字幕で観るべきだった・・・

2019年8月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ガイ・リッチーがアラジンを?!と、公開前は字幕で観る気マンマンだったのに、タイミングを逃し逃し、いつの間にやら気づけば娘の夏休み。。娘に付き合って、吹き替えで観ることに。

冒頭10分くらいで「しまった!」ってなりましたね。もう面白いオーラが完全に出てた。

元々アラジンはディズニーの中でもかなり好きな映画なんですけど、実写化にあたってかなりストーリーラインをアレンジしてあり、しかもそれは実写ならではの改変になっている。
とにかくガイ・リッチーらしく伏線の張り方と回収が上手い!アッと驚く、という訳ではないが、「え〜そうはならないだろ〜・・」とならないように物語をしっかりと構成するために伏線がしっかりと用意されている。当たり前の事なようで、最近の映画のなんとコレが出来てないことか・・・なのでもうそこには歓心しきりでした。

あと画面作りの、敢えてチープにした感じ・・・これ狙ってやってるんだろうけど、まるでグーニーズやインディ・ジョーンズを観ているようなワクワク感が凄かった!CGの凄さというよりも、遠近法の使い方とかがメチャクチャ良くて、古くて新しい、馴染みがあるのに初体験な映像で、やっぱり技術というのはこういう風に使うんだよなぁ!と鳥肌立ちました。

実写化シリーズに必ずブチ込まれるフェミニズムも、今回は姫が元々政治志向だったことなどきちんとフリがしてあるため今までのシリーズ作のような不自然感はあまりない。突然っちゃ突然だけど、インド映画のオマージュのようでもあり。ただ・・・実写化シリーズの最大の課題である新曲は今回も残念ながらパッとしない。姫の熱唱もちょっと気恥ずかしく感じてしまうのは曲が悪いですねこれは。全体的なオリジナルのアレンジは良いんですけども。

一番心配していたジーニーことウィル・スミスが意外にもハマっていて嬉しい誤算。まぁ俺様だいすき感は否めませんが・・・やっぱりブラックコンテンポラリー的な事やらすと上手いし、品と風格があるのは良い。観る前は「ジーニーはジム・キャリーだろふざけんな!」って言ってましたけど、今ではちょっとウィル・スミス以外は思いつかないってくらいハマってましたよ。ジム・キャリー版も観たいけど。

超個人的な嗜好の問題ですけど、アラジン役の俳優さんがちょっと・・・あんま・・・カッコよくないかなぁって・・・(ファンにボコボコにされる)まぁこれはアレンジの範疇というか、アニメのチャラ男から誠実で不器用な男という風に変わってましたね。キャラ改変で言えば王様のキャラもアニメではただのアホでしたがそこそこ真面目なジジイに変更(流石にあのままでは実写化もキツイし)、ジーニーもアニメ版の「友達」という側面よりは、アラジンを見守り成長を促す「父親」としての側面を強く打ち出していて、だからこそ最後の展開が非常に・・・グッとくる。これは良い改変だなと思いました。

あとは・・・・まぁ吹き替えで観た自分が悪いんですけど。主役2人の酷い演技にはもう・・・ ジーニーに山ちゃんを当てるなら主役2人も声優さんで良かったのでは???逆に山ちゃんだけ上手すぎて違和感あるくらいでしたし。。こんなにホール・ニュー・ワールドで感動しなかったのは初めてですわ!名曲が台無し。こういうしょうもない俳優当てる文化、本当に消滅しませんかねぇ。。やだやだ。

あまりにも良かったので後日字幕で観るか!と思えど時すでにお寿司・・・福岡では上映終了しておりまして(泣) これはしょうがないのでブルーレイで字幕版を心待ちにするしかないですね。

いやしかし楽しかった!ここ最近のディズニーではダントツの出来です!

メントール犬佐