劇場公開日 2021年3月26日

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「決して悪くはない。アイルー成分は足りない。」モンスターハンター callさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0決して悪くはない。アイルー成分は足りない。

2021年4月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

これはモンハンではないと思うのだが、ではモンハンとは何なのか。
モンスターの討伐であり、狩猟である。
あと、アイルーです。アイルーはいます。

昨今、ちょっとしたモンハンで物議がかもされたのはご存じでしょうか。
モンハン好きな芸能人がプレイするシーンを地上波で流したところ、
「複数のハンターが一方的に無辜の怪物を虐殺するシーンのようで気分悪い」とクレームがついたというものです。

モンハン好きなプレイヤーならばご存じの通り、あれはかわいそうなモンスターなどという感想からは程遠く、
彼らは畏敬すべき存在であり、とてつもなく強力で人間の生活を脅かす脅威の生命体です。

この映画では(そりゃ「あいつが出ないのは悲しい」と思いつつも)出演モンスターは強力で恐るべき存在として描写されていますし、
それに立ち向かうハンターの勇気も、現代組の悲劇も十分に描写されています。
そういう意味では第一作目としてこの演出はアリだったでしょう。

が、しかし。
別にここに軍隊が出てくる必要もなければ、兵隊さんが異世界転移する必要はどこにもなかったと思うのです。
異世界言語とか、途中で邪魔になって通訳出してくる有様じゃないですか。

完全にファンタジーとして、モンハン世界で生きる人々がモンスターと戦うというストーリーでよかったと思うのです。
あえて言うなら、モンハンの世界を知らない人に「ああ、こういう世界なんだ」と主人公を通して紹介する役割があったかもしれません。
でもそれって新米のハンターの方がよかったんじゃないでしょうか。

新米ハンターがアイルーと共にブナハブラやジャギィに苦戦しつつ、ドスジャギイやアオアシラと格闘しつつ、
いろいろな武器を使って、魅力的な里のキャラクターから励まされつつ、とうとうリオレイアを狩れました!ってあたりまでやればよいと思うのです。

マリオの映画を彷彿とさせてくれました。
いらん要素をつけたさなくてもよかったんじゃないかなと。特にハンターと主人公の挌闘シーンや気持ちを通じ合わせるシーンなんか1/3くらいで充分でした。

もちろん魅力的なところもあります。
モンハン最大の魅力は格好いいモンスターです。そしてそれに(みっともなくとも)食らいついていく無力な人間です。
それらを余すことなく描写していたのは本当に良いところであり、モンハンの必須条件だけは抑えているように見えました。

が、アイルーが足りません。
料理人アイルーだけでなく、もっと里で暮らしているアイルーや大型タル爆弾Gを抱えて特攻していくアイルーが見たかったです。
アイルーです。よろしくお願いします。アイルーはいます。

call