劇場公開日 2021年3月26日

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「襲撃のモンスター」モンスターハンター 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0襲撃のモンスター

2021年3月28日
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鑑賞方法:映画館

単純

興奮

元々地方で上映本数も少なく、さらにコロナで、この半年間で劇場で観たのは僅か6本…。
あの頃は、月で6本話題作ぶつかり合ってた時だってあったのに…。
で、その内洋画大作は2本(『TENET/テネット』と『ワンダーウーマン1984』)。
勿論劇場で観るに相応しい作品であったが、ちと難しかったり、ちと長かったり…。
尺も短めで、スカッとする洋画アクション大作を、久々に劇場で観たい!

そんな期待で観に行ったら、ハイ、良くも悪くもそうでした。

同じ監督(夫)&主演(妻)コンビによる『バイオハザード』同様、基のゲームはタイトル名だけは知ってるが、一切プレーした事ナシ。
なので、あくまで一本の映画としての感想になるが…

まず、話は有って無いようなもの。
これには本当に期待しない方がいいし、話だけを追ってたら(そんな人居ないと思うが)金返せ!レベル。
ポール・W・S・アンダーソンって、ちゃんと脚本書いとんのかね…?
『バイオ』の時もそう。『Ⅰ』『Ⅱ』までは面白かったのに、後はどんどんつまらなくなっていく。
まあ今回は、つまらないと言うより、ズバリ中身ナシ!

それでも、良かった点は3つ。
必然的に採点も★3。

ミラジョヴォは変わらない。
…いや、幾ら何でも『バイオⅠ』の時と比べるとお歳を召したが、その凛々しい美しさは変わらない。
今回も身体を張ったアクションを披露。
昨今、身体を張ってアクションに挑む女優が増えているが、ミラは間違いなくその先駆け。
今後もハリウッド・アクション女優の姉御で居て欲しい。
だけど今回ばかりは、このアクション・スターに美味しい所を持って行かれた。
トニー・ジャー!
言わずと知れた、ワイヤー使いません!CG使いません!スタント使いません!でお馴染み、『マッハ!』などに出演し、ムエタイやテコンドーなどの武術に精通しているタイのアクション・スターにして真の武道家。
台詞らしい台詞は全く無いけど、アクションは勿論、カッコ良さ、人間的な魅力、ユーモアやお茶目さ…ほとんど彼が主役と言っていいくらいの儲け役。

そんな二人が見せるアクション!
二人が繰り出すアクション!
二人がぶつかり合うアクション!
全編に渡って繰り広げられるアクション!
これは見応えあり。スカッと!…と言うより、思ってた以上になかなかハード。
ミラの役が特殊部隊の隊長なので、ミリタリー要素もあり。
銃撃戦や肉弾戦。
肉弾戦ではミラvsトニーに手に汗握る。
尚他登場キャラでは、ロン・パールマンよりも本作でハリウッド・デビューを果たした山崎紘菜よりも料理番のネコちゃんが良かったね。

だけども何と言っても本作一番のお楽しみは、タイトルの通り。
そう、モンスター!
怪獣映画好きの私、実はこれ目当てで観に行ったと言って過言でもない。
正直、“モンスター総進撃”ってほど出るわ出るわではなかった。
名前付きで登場したのは4種類。その内1種類は草食(アプケロス)。
しかし、残る3種は超凶暴!

ディアブロス!
普段は地中に潜み、些細な音にも反応する“トレマーズ”みたいなモンスター。
巨大な角を持ち、突然地上に現れ、奇襲アタック!
ミラの部隊が最初に出くわし、ミラとトニーも倒すのに一苦労。

ネルスキュラ!
トゲトゲの爪、猛毒、口からは糸…。そう、厄介な蜘蛛タイプのモンスター。
この“異世界”では比較的そう大きくはないモンスターかもしれないが(それでも人間から見れば一回り以上大きい)、夜になれば“スターシップ・トゥルーパーズ”のように群れを成してわんさか現れ、迷宮のような地底の巣に捕らわれたら地獄…!
さらにグロさもあり、ミラが最も苦しめられたモンスターだろう。

そして、リオレウス!
古今東西、モンスターと言えば?…の王道。
空を飛び、火を噴く、ドラゴン種。
やっぱり、ドラゴンはイイね。ビジュアル的にもカッコいいし。
勿論、今回のラスボス。

果たして、襲い来るモンスターを倒し、迷い込んでしまった異世界から元の世界に戻れるのか…!?

…と、まあ、ハッキリ言ってしまえば傑作の出来映えではない。どうしても、ストーリー、演出、人物描写などが薄っぺらく、難あり。
昨今続く日本製ゲームの実写映画化でも『名探偵ピカチュウ』や『ソニック・ザ・ムービー』の方が面白かった。
もしシリーズ化を狙っているのならば、同じ監督(夫)&主演(妻)コンビでも、『バイオⅠ』の方がよく出来ていた。

でも、何度も言う通り、
ミラ&トニー!アクション!モンスター!
これらだけでもプレー&ハントしようぜ!

近大