劇場公開日 2019年5月17日

  • 予告編を見る

「逃避行のロードムービーを、何とも心地良く仕上げている。」ガルヴェストン アルさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0逃避行のロードムービーを、何とも心地良く仕上げている。

2021年9月20日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

悲しい

幸せ

良い意味でシンプル、大きな伏線や起承転結はほぼ無い。''追われる''というより''逃げる''事にフォーカスを当てた視点が新鮮で、追手はほとんど登場しない。

その進展のみで''緩急''を表現しており、特筆すべきは逃亡シーンが''緩''、日常シーンが''急''というのが面白い。

ありがちな銃撃戦やカーチェイス、、、はほとんど無い。身を隠しつつ新しい生活を模索し、日常という小さな幸せを渇望する。その人間関係とギクシャクした愛情、何気ない日常の脚本が絶妙で、単純な内容を心地良いサスペンスにして90分に纏めている。

『人生を悲観してしまう』とはこういう事なのだろうと思いながら、主人公ロイ役ベン・フォスターに自分を重ねてしまった。
そして酷い境遇のヒロイン、ロッキーに出逢うのだが、このエル・ファニングの物凄いナチュラルな迫真の演技に魅了された。

明らかにバッドエンドを想像してしまうストーリー展開にも拘らず、ラストのロイ、ロッキーの描写に心を癒された。いや、もしかしたら心を救われたのかも知れない。
最後の衝撃の告白を是非。

コメントする
アル