劇場公開日 2020年3月6日

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「思い出したくはないけど、決して忘れてはいけないあの日」Fukushima 50 菊千代さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0思い出したくはないけど、決して忘れてはいけないあの日

2024年2月12日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

2011年(平成23年)3月11日14時46分
あの出来事が始まった。

仕事場から出ると、外の道路は大勢の人、まるでラッシュ時の駅前の様だった。
都内にいても大変な揺れではあったけど、まだあの時はその後の状況はわからない状態だった。
夜、何とか家に着きテレビを見ると想像を絶する映像に「これは映画か?」あまりにも理解できないほどの映像に頭は混乱していた。そして次から次へ続く余震の中、津波・火災・コンビナートでの爆発などの映像が次々と映され自分の中で全く処理できていなかった。そして福島原発事故のニュースもやっていたが序盤はそこまで緊迫してはいなかった、少なくとも「メルトダウン」という言葉は私が観たメディアでは伝えられてなかった、しかしその報道が間違いだったと知るのはだいぶ後だった。

たまたまガソリン満タンだった車で職場まで行った。その車中のラジオ放送で「もうすでにメルトダウンが起きていてもおかしくありません、このラジオを聴いてる方はなるべく遠くへ避難してください」その信じられない様な内容は関西の大学教授が発していた話だった。テレビ報道では伝えていないメルトダウンという言葉に、昔観た映画「チャイナシンドローム」のことを思い出した。もし本当にメルトダウンしたら福島どころではなく東京も壊滅じゃないか・・・言葉を失った。
真剣に関東から離れる事も考えたが、心の何処かで大丈夫だろうという根拠のない気持ちと共に、何か自分にもできることがあるんではないか?逃げる事より対決する気持ちが湧きわがったのはいわゆるハネムーン期というやつだろうか、職場でも「俺が原発まで行ってくる」という奴まで出てきた。何の手助けにもならないだろうがみんなどこかおかしくなっていたのは間違いない。

そして、地震から数年後
NHKスペシャル 原発メルトダウン 危機の88時間という、福島原発であの当時何が起きていたかを検証したドキュメンタリ、事態が最も深刻化した“88時間”を徹底再現したドラマは衝撃だった、吉田所長役は大杉漣さん。
あのドキュメンタリータッチのドラマよりは若干ドラマ的な作りではあるが、当時の現場のリアルな雰囲気を伝えている貴重な作品。

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菊千代