「なぜか、ピーター・ポール&マリーを思い出しましたが、聖書風に言うとペテロ・パウロ&マリアなのですね!」マグダラのマリア kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5なぜか、ピーター・ポール&マリーを思い出しましたが、聖書風に言うとペテロ・パウロ&マリアなのですね!

2020年4月13日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 マグダラのマリアについてはずっと娼婦だったのだと思ってましたが、その常識を覆すような内容でした。西暦591年にグレゴリウス一世が「マリアは娼婦だった」と発言したことが、これまで間違った認識を与えていたのだと・・・まぁ、仮に娼婦であったとしても存在価値は変わらないのですが、2016年には使徒と同様であると認められた。この事実を知るだけでも観る価値があるのかも。

 『パッション』(2004)なんてのは映画館で観ると、圧倒的映像によって心に響くものがあったのですが、キリストについての知識が必要な作品でした。対して、この作品は知識が無くても大丈夫です。マリアが家を出る前、産婆にも認められた出産の腕前。親に強制されそうになった結婚話などを経て、“癒し手”と呼ばれるイエスと使徒たちが町にやってくる。迷わず洗礼を受けて一行と布教の旅に出る物語。

 当時はローマのヘロデ朝に支配されていたユダヤ人居住地域。圧政とともに残虐な兵士による破壊・殺戮の中、愛と“赦す”ことを主張するイエスに徐々に惹かれていくマリア。ペトロ(キウェテル・イジョフォー)とともにサマリアを訪れたとき、瀕死の民を救おうとする姿にペトロが「これは慈悲だ」と呟く。敬虔な信仰を見事に表現したエピソードだった。

 聖母マリアがマリア・マグダレナに「彼を愛してるのね」などと問うのですが、そのイエスをホアキン・フェニックス、マリアがルーニー・マーラ。見事にリアルで婚約しているというのも微笑ましい。まさしく神が導きたもう運命でしたね・・・

kossy