劇場公開日 2019年3月1日

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「ちょいマイナーな原作エピソード、ご存知!?」映画ドラえもん のび太の月面探査記 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ちょいマイナーな原作エピソード、ご存知!?

2019年8月8日
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鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

興奮

ドラえもん映画39作目。

今年は人類初の月面着陸から50年。
今後、NASAは再び月を目指す計画や日本もインドと共同で月の裏側を目指す計画があるというニュースを聞いたばかり。
そんなタイムリーな中、ドラえもんとのび太たちも映画では初となる月の世界へ。

月で謎の白い物体の映像が捉えられた大ニュース。
学校でも話題持ちきりの中、月のウサギだと信じるのび太。
バカにされたのび太は、ドラえもんのひみつ道具“異説クラブメンバーズバッジ”を使って月にウサギたちの王国を造る。
元ネタは原作漫画のひみつ道具とエピソード。ファンなら知ってるが、そうじゃないと結構マイナーかも。
手作りのウサギたち“ムービット”はよりキュートに。のび太みたいなダメムービットも。
のび太の失敗作のウサギ怪獣も勿論。
ウサギ王国はファンタスティックで夢のような楽しさ。

ある日のび太は、不思議な少年ルカと出会う。(って言うか、この出会いのシーンが某アニメそっくりで、ミステリアスな美少年のルカはさながらカ○ルくん!?)
いつもの友達にルカも加わり、月のウサギ王国へ。
楽しく遊んでいたが、ウサギ怪獣に襲われ、のび太がはぐれてしまう。
そこを助けたのが、ルカ。
皆と合流してから、ルカは驚くべき秘密を打ち明ける…。

実はルカはカグヤ星出身の異星人で、“エーテル”という超能力のような力を持つ“エスパル”。
ここ月の裏側で、同じエスパルの子供たちと1000年以上もひっそり暮らしてきた。(ルカの姉ルナは何とかぐや姫のモデル!)
何故彼らは故郷の星から逃れてきたのか。
カグヤ星はエーテルの力を悪用した破壊兵器で荒廃し、今も尚彼らとその力が狙われていた…。

原作のエピソードを基に映画オリジナルの展開は、ここ最近の主流。
月からそして宇宙の彼方へと、大スケールの冒険。
SF要素やなかなかシリアスなテーマ、アクションをメインにしながらも、
のび太とルカの友情、クライマックスでドラえもんが訴える想像力の尊さ。
映画ドラえもんの王道。

今回脚本を担当したのは、直木賞作家の辻村深月。(恥ずかしながら、よくご存知無いが…)
ドラえもんの大ファンらしく、本作もあちこちに映画ドラえもんのあるあるネタが。
自分たちの王国造りは、『雲の王国』や『ねじ巻き都市冒険記』。
今回の敵ディアボロは、『海底鬼岩城』のポセイドンを彷彿。(ドラえもんの「壊れてお詫びします~!」も)
独裁・恐怖の統治は、『宇宙小戦争』や『鉄人兵団』。
ドラえもんとのび太たちが予言の勇者なのは、『大魔境』。
その他にも細かい点で「おっ」と思わせる通なニヤリネタがふんだんにあり、確かにドラえもんファンだ。

王道やあるあるネタで、無難に楽しめる今回の映画ドラえもん。
でも無難であって、特筆した映画ドラえもんではなく…。
序盤の謎やルカとディアボロの部下のゴダートの関係、今回のメインのひみつ道具である異説クラブメンバーズバッジの使い方など、巧みに伏線張られ話も練られてるように見えて、格別そうでもなく…。
ここら辺もうちょっと、直木賞受賞のミステリー作家としてのオリジナリティーや本領を発揮して欲しかった。
直木賞作家とは言え、藤子・F・不二雄の想像力に及ばず。
ゲスト声優は、吉田鋼太郎はさすがの貫禄だが、柳楽優弥と広瀬アリスはちと…。

エンディング後の次回予告。
劇場で観てたら『竜の騎士』のリメイクか!?…と思ったろうが、『新恐竜』!
宇宙冒険も映画ドラえもんの王道だが、恐竜も鉄板!
シリーズ最大のヒットとなった『宝島』チームで、果たしてどんな新しい映画ドラえもん恐竜ワールドとなるか…!?

近大