劇場公開日 2022年7月1日

「個々の連帯を大人からの景色で見ていく、変わらない空気感に多幸感が漏れる」映画 ゆるキャン△ たいよーさんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0個々の連帯を大人からの景色で見ていく、変わらない空気感に多幸感が漏れる

2022年8月3日
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鑑賞方法:映画館

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アニメ視聴済。大人になって、賢くなって、夢広がって、楽しくなって、今は愛せるのに。何も変わっていないよ。実写版のOPソングだったLONGMAN「Hello Youth」の歌詞のそれみたく、変わるものも変わらないものも抱きしめた様な作品。裏切らない。

高校生活を描いた2シーズンから大きく進み、それぞれが大人になり、キャンプ場作りに挑む今作。それぞれ仕事の場が違い、気軽に集まることも遠かったある日、キャンプ場の話が持ち上がる。そこに酒があり、大変ながら財力も出てきた彼女たち。再び共に作っていく作業は実に微笑ましく、たくましい。シリーズで描かれた連帯感と成熟を活かしながら、困難を乗り越えていく姿に、これまでにない頼もしさを覚える。

それにしても、配置がどこも絶妙で、大人になったからこそ見える景色をそれぞれ持っていて、さらに周りの関係も少しずつ変わっていっている。ちくわは歳を取り、なでしこはジムニーに乗り、リンは大型バイクを駆る。一見すると当たり前に感じるが、実はそこが1番作品の「変わらなさ」を生み出していると思う。その代わり、ぶつかる困難も可愛げはなく、どうしようもない現実が待っているのもリアル。大人だから…そう景色が変わったことによる空気感が裏切らないのがまた喜ばしく、作品の持つ強さなのだと思う。

これから自分も社会人になる。出来なかったこと、叶えにくかったことが少しずつ出来ることに変わっていくかもしれない。その中で、変わらないことをどこまで愛せるのか。今を頑張ることも確かに大切だけど、昔を懐かしんでまた誰かに甘えるのも有りなのかなと思う。やっぱりこの5人、素敵な友情だな…。

たいよーさん。