劇場公開日 2022年7月1日

「大人になったって自分のペースでゆるく進んでいけばいい!!」映画 ゆるキャン△ バフィーさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0大人になったって自分のペースでゆるく進んでいけばいい!!

2022年7月17日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

「ゆるキャン」といえば、東海地方の観光地やキャンプ場が実名で登場することから、東海地方の人にとっては、パーキングエリアでよく目に入る作品ではあるし、舞台の山梨県にいたっては、コンビニでもコラボ商品が並んでいるほど。作品自体は観たことがなくても、キャラクターは見たことがある人も多いのではないだろうか。

そんな「ゆるキャン」が映画化されるということで、アニメシリーズとドラマシリーズを一通り観て挑んだ。

高校生だった主人公たちも社会人に。免許をとったり、仕事も落ち着いたり、逆に転職したり……。学生時代にできなかったことができるようになった分、逆にできなくなったこともある。

そんな学生から社会人への変化を作品のテイストである「ゆるさ」の敏感に取り入れ、社会人目線からの「ゆるさ」とは何かを描いていく点は、なかなか大人な物語に仕上がっている。

思うようにいかないことも出てきたりするが、そこもセンセーショナルに描くというより、「ゆるい」テイストで、独自の処理をしていく様子も独特さがある。

自分たちの経験を元に、新たな若い世代に伝えることだったり、ただキャンプを楽しむだけではなく、携わっていくモノ作り要素なども加わって、いい意味でテレビシリーズと少し毛色が変わっているのも印象的だ。

映画版だけ観ても理解できる内容にコーティングされているものの、テレビシリーズではメンバーの中で、一番純粋で幼い各務原なでしこの成長が鍵になっている部分もあるだけに、それを感じるにはテレビシリーズは観ておいた方がいいとは思う。

萌えキャラ系作品なワケだから、そもそもがそんな趣旨ではないし、する必要性もない。しかし映画版に関しては、テレビシリーズと比べても感情表現が丁寧に描かれているがゆえに、主人公たちに全く男っ気がないことが気になるところ。

意図せずにシスターフッドのようなフェミニズム路線に向いている気がしてならない。

アニメなんだから、そこは細かく言う部分ではないのだろうが……。

バフィー吉川(Buffys Movie)