劇場公開日 2022年7月1日

「シマリン団子は何処に消えた!?」映画 ゆるキャン△ フリントさんの映画レビュー(感想・評価)

シマリン団子は何処に消えた!?

2022年7月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

キャンプ場を作る話

私はこの作品の漫画は好きだがアニメ版はあまり好きではない。
自分が原作で抱いていたセリフのニュアンスがずれていたり、テンションに違和感があったりして肌に合わない感じがしていた。だから正直、あまり期待してなかったのですが・・・

いやはや大変面白かったです。
鑑賞後の帰り道ではカップヌードルカレーとシーフードを買ったし、次の休日にはバイクで遠出する計画を立てました。
それほどに本作は現実世界の私に影響を与えてくれました。
久しぶりにワクワクの休日を迎えられそうなのでこの作品には感謝です。

最近映画をみても作中の人物に憧れたり、マネしたくなったりすることが無かったのですが、なでしこの様に元気一杯で美味しくご飯を食べたり、リンみたいにバイクで旅したり、千明みたいに友達さそって楽しくプロジェクト進めたり、犬子みたいに優しいほら吹いたり、恵那みたいにマイペースでいたい。
そんな事を思いました。

冒頭の富士山をバックにした松竹配給のおなじみ映像から本編へ入る粋な計らいがテンションを上げさせてくれますね。ゆるキャン△と言えば富士山なのでこの演出はうれしかったですね。

本作は原作では描かれていない大人になった5人(妄想?)が主人公なので高校生の頃とは違った時間の制約や仕事の都合、移動距離、お金の問題なんかも出てきて新鮮でしたね。
でも変わらぬ友情やキャンプの楽しさ、みんなで協力してわちゃわちゃする姿は相変わらずなので安心してみてられます。

作品を通して絵の色合いが地味目、特に前半は季節もあいまって灰色な感じなのですが、終盤の緑の鮮やかさとか日の出の綺麗さとかに繋がるのでよかったですね。
本作はそもそも風景や食事をあまり美化せず、アニメ絵に落とし込んでいる。新海作品みたいに風景めちゃくちゃ気合入ってたり、宮崎作品みたいに異様に美味しそうな食事は描かれてないけど、ちょっとした風景が見たくなるしキャンプ飯がたべたくなる。不思議な作画力と雰囲気があると思います。

そこにあるものを生かす、ありのまま、そのままを工夫して利用してよりよい環境にする。
楽しくて前向きになれる作品でしたありがとうございました。

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劇中セリフより

「そのような商品でしたらあちらのお店に有りますよ」

ライバル店にお客さんを案内する器の大きな?なでしこの様になりたいものです。

フリント