劇場公開日 2019年8月3日

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「風呂が好きっス」メランコリック KinAさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0風呂が好きっス

2019年8月15日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

ハラハラグダグダヒェヒェ、ホンワカパッパホンワカパッパホンワカホンワカホェッ系。
起きている事は間違いなくスリリングなのに、ユルくてのほほんとした空気が常に漂う。
非日常も日常になれるんだなぁと思った。
「殺す」をこんなにホンワカぽんぽん扱う映画もなかなかないのでは。

充実感のない毎日を送る鍋島和彦。
人と話す時に眉を上げて目を見開く表情の絶妙な気持ち悪さが好き。
(トークショーで登場した和彦役の皆川暢二氏は、どこぞの海岸にでもいそうな堂々とした爽やかイケメンでちょっとびっくりした。改めて俳優ってすごいよね。)

しかし和彦の芯の強さと根の明るさが見え始めると、一気に胸熱と少しの羨ましさが出てくる。
分からないことは追求し、納得いかないことには不服な顔をし、落ち込んだ時に初めての彼女に縋れる性格。
舞い上がりやすくわりと図太いその精神、それもまた良し。

金髪チャランポランな松本のギャップにやられる。
アクションシーンの無駄に綺麗な構えや佇まいから、なんだかドキッとするほどの鋭さと謎のエロさを感じた。

ところどころで光るギャグに笑い、終盤に来る予想外の展開にドキドキて見入り、締めの食卓と飲みの席に心がポカポカしてじんわり涙が滲んだ。
笑いを入れるならもっとバンバン畳みかけて欲しいなとか、テンポが緩いなとか思ったけど、一人一人の日々に寄り添うタッチならこれくらいで良かったのかも。
「よし、やっちまおう」がめちゃくちゃ好き。

殺し屋職や銭湯の中から話の本筋がズレないところが逆に意外だった。
なんとなく、どこかで方向転換して思ってもみない方向に持っていかれるのかなと変に構えていたので。
逆に予想外の収まり方だったのが、逆に新鮮。逆に。

楽しいことがないと言いつつそれなりに生きていけるし、まともな職歴なくてもライフライン止まってもなんとかなるし、たまーーーにある楽しいことのために日々命削れるのって真実だよね。
私の日常はわりと毎日楽しいのでさらにハッピーだね!

先頭店長の顔と話し方が好き。
一枚上手の田中が好き。
ゆりは高校の先輩によく似てて可愛い。
小寺先輩の飄々とした態度が好き。
田村の腹立つモテ男感、しかし結構いいヤツで好き。
生温くてちょいウザな両親好き。
でも何よりの推しメン!それはアンジェラ。
ナイスバディに日本語のアクセントも田中への態度の悪さもかなり大好き。

ストーリーの良さもありながら、キャラの魅力的が大きかった。
みんなそれぞれ誰かしらに当てはめられるでしょう。
上司とか、上司の上の上の人とか、先輩とか後輩とか。

あ、生きるっていいなと思える映画だった。
お腹ぺこぺこになった。
和彦さんへ、Snake VS Block面白いよね。

KinA