劇場公開日 2019年1月25日

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「生きていく価値を訴える。異色かつ上質なミステリー。」十二人の死にたい子どもたち 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5生きていく価値を訴える。異色かつ上質なミステリー。

2019年2月10日
PCから投稿

悲しい

怖い

知的

【賛否両論チェック】
賛:序盤に起きた数々の謎が、次第に綺麗に明かされていく様が、ミステリーとして上質。それだけにとどまらず、「命の尊さ」を踏み込んで訴えかけていく内容も印象的。
否:どうしても似たようなシーンが多く、見方によっては退屈してしまいそう。

 集団安楽死をしようとしていた少年少女達が、もう1人の遺体を発見し、その謎を追っていく本作。その真相が明らかになるにつれ、冒頭に起きていた数々の不可解な出来事が、綺麗に1つの線に繋がっていく様が、ミステリーとして見事です。
 そしてこの作品のもう1つの魅力は、決してミステリーに終始するだけではなく、「生まれてくることの意味」や「命の尊さ」といった本質的な部分を、踏み込んで訴えかけているところです。元々は様々な理由から「死にたい」と想い、集ったはずの彼ら。そんな彼らに、事件を通してどんな心境の変化が生じていくのか。その辺りの繊細な心の揺れ動きにも、思わず考えさせられるものが多いです。
 どうしても似たようなシーンが多くはなりますが、若手俳優陣が集結した本作を、是非チェックしてみて下さい。

映画コーディネーター・門倉カド