劇場公開日 2019年12月27日

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「はみ出し者が許されていた世界」男はつらいよ お帰り 寅さん 星のナターシャさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5はみ出し者が許されていた世界

2020年1月16日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

幸せ

耳に懐かしい寅さんのテーマソングから始まるけれど
話は現在の大人になった寅さんの甥の満男さんと
その昔の恋人の話。

昔の恋人の困る様子を目の当たりにして

好きになった女性には弱かった
寅さんの
影響を受けて大人になった満男さんは
やっぱり寅さんみたいに世話を焼いてしまう〜

これって男の人のロマンなんだろうな〜〜

昔の恋人と再会し懐かしい昔話に花が咲く。
そこには過去作の名場面が所々インサートされており

寅さんを懐かしむという意味では
ファンには涙モノの一作でしょう。


で、月に8回程映画館に通う中途半端な映画好きとしては

これだけCGや画像合成技術が進んだ現代、昔の映像を繋いで
寅さんの新作を作る事もできたかもしれ無いけど、
それをしなかった山田監督と関係者に拍手!!


いない人はいないんだもの。
無理に生き返らせるのはやっぱ不自然だし
現代の話にすることで逆に
寅さんの様な
一種の「はみ出し者」が許されていた世界の
おおらかさや温かさが伝わってくると思う。

寅さんシリーズが全盛だった頃、
私は年齢的に親戚とかがウザい年頃だったので
いきなり帰って来てやたら拗ねて面倒を起こす寅さんが
ウザ過ぎて全く好きではなかったです。

でも、ここまで世の中がギスギスしてくると

逆にあの頃のおおらかさやお節介な世の中に戻さないと
人間、終わりかもしれない〜〜

「寅さん」は
そのための大事なお手本かもしれませんね。

余談ですが、さくらさんの家のお仏壇の前に
おいちゃん、おばちゃんの遺影があるのに
「寅さん」」の遺影はなかったとおもう。
(見落としかな〜??)
そこに監督や関係者の方々の「寅さん」愛を感じました。
遺影を置いちゃうと、
「寅さん」の心まで失われてしまった気がするもんね〜

もう一つ余談ですが私、吉岡秀隆さんの目が苦手!
この人、黒目が小さいのか瞼が動き過ぎるのか
ちょっと困ったな〜程度の状況でも
この世の終わりの様な白目をする時がある。
なんかあれが過剰過ぎて怖い〜
もう少し歳をとったら、
今と真逆の極悪人を演じてみたらどうかしら?

@お勧めの鑑賞方法は?
家でも観られるけど、映画館で見る寅さんは
やっぱ特別感があるね〜〜

星のナターシャ