劇場公開日 2019年10月18日

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楽園(2019)のレビュー・感想・評価

全245件中、241~245件目を表示

4.0それぞれの楽園

2019年10月9日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

難しい

澄み渡る青空の下、緑生い茂る田園風景
そこにただ雑然とあるY字路、まるで人生の岐路の選択を迫る様に、いつまでも変わらずにそこにある。その存在感は何かとても大きなものを感じる。
この作品は1度観ただけでは、ちょっと理解できないと思う。1つの事件がきっかけになって、いろいろなことが絡み合い、それぞれの人達に心の変化だったり、人間のいい部分と、悪い部分を両方見せつけられる。2つの接点のない原作が不思議なことに1つの作品に仕上がる。そこにあるテーマは同じで…
さすが瀬々監督の手腕は素晴らしいと思った。

村や集落、現代で言えば学校、会社なども同じで集団心理の恐ろしさもまじまじと感じた。
最初はウエルカムムード全開だったのに、ちょっとしたことで次の日から急に村八分だったり、弱者に全て罪をなすりつけて、追い詰めるといういじめと同じ構図。

そんな中で楽園とは?となる。私はこの作品で感じた『楽園』は、自分が生きやすい場所、居心地がいい場所なのかなと思う。楽園を見つけられた人、作れた人、なかった人、これから見つける人、この作品にも人生においても、同じなのではないかと思います。
豪士にとっての楽園は、愛華ちゃん、紡に出会ったことによって、自分が生きていること、存在を認めてもらえた、それこそが彼の『楽園』だったんではないでしょうか。

役者陣皆さん、迫真の演技で素晴らしかったのですが、なかでも綾野さん、佐藤さんの追い詰められ、絶望で張り裂けそうな状態で死を覚悟するという演技、言葉にならなかったです。
ぜひ、理解できるまで何回もご覧になって頂きたいです。

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さくらん

4.5集団心理の恐ろしさ

2019年10月7日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

知的

吉田修一さんの「犯罪小説集」全5編の中から「青田Y字路」と「萬屋善次郎」の2編を映画化したもので2つの物語をつなぐ紡という女の子の12年後のドラマに新しいエピソードを加えて膨らませているのがうまいなと思いました。
よそ者を排除する閉ざされた場所に住む村人の怖さと狂気が生々しく伝わってきて集団心理の恐ろしさが私達が住んでいるリアルな世界とリンクしていてより強く印象に残りました。

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ジョコーソ

5.0二つの物語の対比

2019年10月5日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

ファーストシーンの、美しく揃いすぎている水田から引き込まれました。(俯瞰の空撮から始まる映画が好きなので嬉しい)

てっきりY字路の物語だと思っていたので、途中から善次郎が出てきて、なんだかテーマが分散したイメージでしたが、
エンドロールを見たら、二つの短編の映画化だったのですね。失礼しました。σ^_^;
それを踏まえて見たほうが良いかもしれません。

あえて二つの短編を絡めたことで浮かび上がるのは、閉ざされたコミュニティ。
人々の距離が近くて、皆んなが知り合い。
そんな中で起きた未解決の事件は、誰だか得体の知れない者が村に入り込んだという恐怖で、村人達を疑心暗鬼にしてゆく…
村の顔役達は、面倒見が良くて頼れる存在だが、誰も彼らには逆らえない…
暴走してゆく村人達には集団の狂気を感じますが、
自然豊かな農村に限らず、都会でも学校や職場という閉ざされた社会の中では同じ事が起きているのではないでしょうか?

息苦しさから、若者たちが外へ出て行ってしまうのも分かる気がするし、一度狂った歯車から逃れられずに自滅してしまうよりは、新たな世界で一歩を踏み出す方が良い時もある。

ただ、私も故郷から離れた人間なので、すごく久子のセリフに共感出来るのですが
若い頃は嫌っていた筈の街並みが、気づくと自分の大切な場所になっていたりする。
それだけ歳を取ったという事なのでしょうが、故郷とはまったく厄介な場所です。

綾野剛が難しい役どころを演じきっていて、見応えがありました。

柄本明の村の世話役っぷりがイイ。
揉め事の仲裁も慣れたもんで、普段は何でも任せて安心な親分肌だろうに…
大人気なく紡を責め立てる言葉には、やり場のない怒りと悲しみを感じました。
ご本人には不本意かもしれませんが、根岸季衣さんとの夫婦のシーンが角替和枝さんとダブって、小さな呟きに胸が締めつけられました。

実は今まで、佐藤浩市さんの熱い演技が苦手だったのですが、今回は枯れた感じが相まってとても良かったです(T_T)
体を張った熱い演技に釘付けでした。

『楽園』はどこかにあるものではなく、自分で作るもの。
辛いながらもこれから楽園を作っていく者と、楽園に囚われた者の対比となっていて、この二作の短編をまとめた意味がわかった気がしました。

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shiron

4.0佐藤浩市さんの演技

2019年10月3日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

難しい

Y字路で起こった未解決の少女失踪事件があった村でその12年後に少女が行方不明になり村の人々の人生が複雑に交錯していく様を映し出すサスペンス大作。
佐藤浩市さんの村八分になり村人たちから謂れの無いことを噂され孤立して壊れていく様は流石だと思いました。

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たのくら

2.0李監督が良かった

2019年8月23日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

編集、カット割りを決めるのは監督だけど、

役者の芝居を引き出すのも監督。

よかったけど、
何故か生温かった。

犯罪を犯した人を肯定しているようにも見えた。
人の芝居も、背景も何故か薄く感じてしまった。
小説を読む。レビューも読む。

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ねこ