沈黙、愛のレビュー・感想・評価

親子の絆。親の心子知らず。だが育て方が間違った。愛人を娘に殺される。ぶつけようのない怒りの矛先。自分が罪を被ってでも娘を守る、やるせない。傲慢な大企業の会長、娘を愛する父親としての顔を演じ分けるチェ・ミンシクが良い。

ゆったりした展開で、イム会長のお金が全ての男から、もしかして情の深い良い人？
と思い出した後の流れがスムーズで良かったです。

バンコクでのニセ撮影後にイム会長役のチェ・ミンシクさんが、
ふ頭から船に乗って戻る、女性を見送るシーンはジーンと来ました。

イム会長とマネージャーが、二人でラーメンを食べての終わり方は個人的には好きです。

韓国の財閥なら金の力で、ここまで出来るという可能性を考えるには面白いが、交通事故を殺人に仕立てて身代わりになるのは筋が悪い。

富も権力も手にした、今までえげつないこともしてきたであろう、実業家イム会長（チェ･ミンシク）。婚約者のユナが殺されて、イムの娘ミラが容疑者として逮捕され、父イムが娘を助けるため、あらゆる手段と人脈を使って、東奔西走する話。

『オールド・ボーイ』のチェ･ミンシク主演なんで、これは観るしかないでしょという感じで観賞。

サスペンスタッチの法廷もの。韓国映画のわりには、「静か」で台詞が少なく、前半はわりとゆっくり進んでいきますが、ラストにつながる展開は、かなり衝撃的で、いろいろ思うことは、それぞれ個人によって違うと思いました。

父親が娘にしてやったことが、「いい、悪い」と判断すれば、もちろん問題はありますが、親は娘のためなら、どんなことをしてでも「救ってやりたい」と思うもので、親バカ、溺愛であろうが、ラストはやはり胸がじーんときて涙が出ました。

私はかなり最初の時点（事故当時の映像が残されていた）で、実は、ちょっとオチにつながる流れを読めてしまいました。残念（TT)

個人的な話なんですが、いつも、photoshop（アプリ）を使って、写真の合成、加工やらを仕事でやっているので、あの映像は加工に違いない（作られた映像だ！）･･･なんて思ったわけです。ただ、加工ではなく、再現フィルムだったけれど！（笑）

主人公イムにとって、娘は最愛な存在。婚約者ユナも深く愛している。娘とユナは仲が悪い。この事実だけを捉えると、イム会長は、とんでもなく愚かなエゴイスト。でも、2人ともに愛を注ぐチェ・ミンシクのオーラや存在感がすごい。男気や哀愁たっぷりでやられましたぁ！

チェ・ミンシクが煙草を吸いながら、部下の運転手に自分の食べかけのラーメンを食べるように丼をすすめる、あのラストシーンも切なくて。

いろいろと仕掛けのあるサスペンスですが、これは、チェ・ミンシクを堪能する作品かもしません。

WOWOWで放映されていたものを何気なく観たのだけれど、ストーリー展開と役者の演技の上手さ、存在感の強さに引き込まれた。
裁判が進んで真実が明らかになり、これで一件落着かと思ったところから、更にその裏側の真実が明らかになる、二重三重の重層的なストーリー展開で、途中からは訳が分からないながらも泣きながら観ました。
主人公のチェ・ミンシクはもちろんだが、弁護士役のパク・シネの存在感が凄かった。更には、それ以外の脇をかためる役者さんたちも、皆、役にピタリとハマっていて、観る者に与える説得力が素晴らしい。
いつもながら、韓国映画の脚本のドラマチックな展開、役者の演技力の高さには脱帽です。

どんでん返しが最高！真相がわかったとき、震えた。これぞ韓国映画！

ただ、初めての飲酒運転とか酒に酔って覚えてないとか、都合良すぎよなとは思うし、証人出廷やら身体検査やら裁判上でやるの？と疑問には思ったけど、全体的には素晴らしい作品だった。