劇場公開日 2018年7月28日

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「ラスト30分、あなたは号泣できるか?!」沈黙、愛 kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ラスト30分、あなたは号泣できるか?!

2019年7月3日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 ほとんどの方はチェ・ミンシクの出演作といえば『オールド・ボーイ』を挙げるのだろうけど、個人的には『春が来れば』を代表作に挙げたい。それを観ればイム・テサン会長の隠れたる暴虐性よりも人間の優しさ、愛娘への溺愛が理解できると思います。この作品でも絶対に悪人に見えない滲み出てくるものがありました。

 チェ・ヘジュン弁護士も被害者パク・ユナも美人なので、男目線で言えば、イム会長の強烈な愛情も共感できるのです。中国映画がオリジナルらしいのですが、それもぜひ見たくなる内容で、超大金持ちが何でも金にモノ言わせて人間性を失ってる男が、検察にも睨まれ、弁護士にも裏切られるかのような裁判の展開。淡々と進む公判には強烈などんでん返しが待っているわけですが、それまではタイトルの意味さえわからないのです。

 最近の映画っぽく、ジャズシンガーのパク・ユナのストーカー的存在の男、セックス動画が拡散していた事実、さらには殺人ゲームが出回っている暗い韓国社会。「下着も全部くれ!」などと条件を出すドンミョンが可笑しかったりするのですが、殺人ゲームを拡散させようとしていたシーンも笑えちゃいます。

 欠点らしい欠点といえば、チェ・ミンシクが極悪人に見えないことや、なぜチェ弁護士を選んだのかという点くらいでしょうか。運転手のチョンの男気にも泣かせてもえらえるし、真実を知ったときにも泣かせてもらえる。とはいえ、それほど涙は出ませんでしたが・・・いい作品です。

kossy