劇場公開日 2018年11月17日

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「シュールかつ美しいビジュアルセンス。ストーリーは想像のはるか別方向へ。そして遅さ/早さとも独特な時間の使い方には鳥肌。」A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー kizkizさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5シュールかつ美しいビジュアルセンス。ストーリーは想像のはるか別方向へ。そして遅さ/早さとも独特な時間の使い方には鳥肌。

2018年11月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

寝られる

今年ベスト10には確実にはいる傑作!

特徴的なのがワンシーンの長さ。

普通なら10秒で終わらせるシーンを1分間ぐらい使ったりする。
この独特の間は人を選びそうです。

かと思えば1秒で数年が過ぎたりする。
時間の使い方/描き方がホントに独特。
それこそがこの映画の真髄ではないでしょうか?

予算的にも規模の大きい作品ではないと思う。
なのに超大作ばりにスケールを感じるのは"伸び縮みする時間の使い方"ゆえ。
これこそ映画ならではの面白い手法かもしれません。

シーツを被って目のトコに穴が開いてるオバケのビジュアルは一周回って強烈。
怖くもあり、かわいくもあり、美しくもある。

彼が画面に入っていることで何気ないカットが素晴らしいアートに昇華されてる。
ビジュアルセンスはホントにピカイチ。

基本は超シリアスなんだけど、
そんな風にオバケになるんだ!とか
ポルターガイストってそういうことかい!とか
シリアスな笑いのツッコミどころは多い。

セリフや描写説明はほとんど無し。観る側の解釈にかなり委ねられる内容。でも難しいとは思わず。

個人的には感情がほとんど感じられないのが面白いな、と感じました。
オバケも感情があって動いてるのか、それとも目的/感情をもはや忘れてるのか……。
そんな部分が逆説的にエモーショナルな感情をポイントで増幅させてた。

ポスト・クラシカルやポスト・ロックのMVみたいな世界観でもある。ここらへん好きな人は絶対に見たほうがいい!
それを映画の手法で最大限まで昇華させてる。

意味はそこまで考えなくてもアートな表現に繋がってると思えばいいのかもしれない。
その表現を見るのが楽しいのだものー。

kizkiz