劇場公開日 2019年1月19日

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「中東の抱える様々な問題」バハールの涙 ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5中東の抱える様々な問題

2019年1月21日
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アフリカもそうだが、中東の国境には直線が多い。
当時の欧州強国やロシアが、オスマン帝国を攻撃し、石油利権を求めて、民族や部族、集落、宗派などに関係なく、傀儡政権をベースに自分たちに都合の良い、国境線を引いたからだ。
人は自然の地形を利用して住み、生活するものだが、川や湖、中東の場合は、砂漠の形状やオアシスなどがベースになって然るべきだ。だが、そんなことは御構い無しだったのだ。
だから、3000万人もいるクルド人は、複数の国に跨って住み、国は持たず、民族信仰と融合したイスラム教を信仰するクルド人少数派のヤジディ教徒は異教徒として、欧米と結びついたイスラム主要宗派から酷い迫害を受け続けている。
更に、この地域の「伝統的な」女性の社会的な地位の低さは、レイプや、一夫多妻制、生活ルールまで、ある意味、奴隷状態と言っても過言ではないレベルかもしれない。
この映画には、こうしたものが網羅されている。ISの暴挙や、それと戦う女性戦士達の勇気に、胸や目頭は熱くなる。
しかし、これは単なる戦争映画ではない。僕たちが忘れることなく、本当に伝えなくてはならないことは、こうした暴力の背景にあるものと、少しずつで地道かもしれないが、改善を働きかけることなのではないかと思う。

ワンコ
NOBUさんのコメント
2019年10月27日

おはようございます。

 私は昨晩はニュージーランドの敗戦にショックを受け(元英国植民地を勝手に応援)、プロフェッショナルに涙し、酒が進んでしまい、是枝×ケン・ローチの対談番組を録画して爆睡してしまいました・・。
 日頃の短時間睡眠の付けが偶に来るのです。

 それにしても、ワンコさんは過去、現代の世界政治情勢に対するアンテナがとても高いですね。

 これからも、宜しくお願いいたします。

NOBU