劇場公開日 2018年8月31日

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「リメンバー1980」ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男 コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0リメンバー1980

2018年9月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

何もかもが懐かしい。
1970年代後半~1980年を象徴する、名選手の二人「ビヨン・ボルグvsジョン・マッケンロー」で最初から最後まで描いていました。
ほぼ主役はボルグで、比較対象としてのマッケンロー。
ボルグの内面性を深掘りしていくスタイル。

ボルグの5連覇がかかったウィンブルドン決勝がクライマックス。
ググると簡単に出てくるはずなので、結果を知りたい人はすぐにネットを見ればいいのだけれども。
結果を知ってても、どっちが勝ってもいいと両方応援したくなった、あの名試合の興奮再現度が高くて、うれしかった。

邦題のサブタイトルのように、氷と炎、水と油、冷静な紳士と悪童、と対比されることの多いライバル関係ではある二人。
「実は仮面を被っているだけで、子供のころのボルグはマッケンローと大差ない悪童だった。闘争心のアピールの仕方が違うだけで、勝利にこだわり、仮にチャンピオンであろうと世界一を目指すチャレンジャーであり続ける本質は一緒」なのだな、と感じさせてくれました。
なので、観終わると邦題って合わないな、とも思ったり(笑)。

ボルグ役は徹底してそっくり。
マッケンロー役が細くて、もうちょい顔が丸いといいんだけど、と外観について最初は思ったけれど、観てるうちに内面や抗議シーンでの喋り方でどんどん「似てるなぁ」と印象がよくなっていきました(元々右利きの役者さんなのかな?マッケンローのフォームがちょっと崩れてるのが気になったりはしましたが)。

ところで、蛇足感満載のエンディング・テロップでした。
まるでその後マッケンローに負けて、ボルグが引退したみたいな。
あれは、過密な選手権スケジュールに対して、ボルグが抗議の意味でとったパフォーマンスじゃなかったっけ?

それから、二人に絞った話なので仕方ないけど…
大会が始まるまで(1979年を最後に四大大会をリタイアしたジミー・コナーズはともかくとして)、イワン・レンドル、ロスコ・タナー、フィル・デントらの立場は?
と思わなくもなく。

と、あの時代に熱中して観ていたおじさんは突っ込んでしまうのでありました。

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コージィ日本犬