劇場公開日 2018年9月21日

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「思ったよりも…」若おかみは小学生! タミヤ・ユウさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0思ったよりも…

2018年10月30日
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明るいトーンで完全に子供向けかと思ってましたが、意外と重い設定だったんですね、これって(笑)

という事でこちらの作品、
正直言うとこの映画最近まで知らなくて、ネットの記事で「感動する!」と絶賛されていて興味をもちました。
なので、あらすじも予告もチェックしてない状態で観ました(笑)

ポスターを見た感じでは、ほのぼのと心暖まる系かな?と思ってましたが、思った以上に感動しました!
「さよならの朝に約束の花をかざろう」ほど感動したわけではありませんが、その時以来涙が出ました😢
何故こんなに絶賛されてるかが理解できました!

上にも書いた通り、あらすじも予告も見てない状態だったので、主人公オッコちゃんが両親をいきなり事故で亡くしてしまう展開にはビックリしました。

そしてリアリティ路線かと思いきや、いきなり幽霊の子供が出てくるので最初呑み込めなかったのですが、徐々に慣れていって最終的に幽霊二人の絆を感じ取れて良かったです。

この映画はのっこちゃんの若おかみとしての成長物語といった内容ですが、人との触れあい等も描いたヒューマンドラマでした。

また、劇中には小さい鬼のキャラクターが出てくるのですが、この子が色々と問題を抱えたお客さんを呼び寄せるという能力を持っています。
この作品には悪い言い方ですが「ご都合主義」的な展開も見られました。ですが、このキャラクターの設定が「ご都合主義的展開」の上手いフォローになってると感じて面白かったです。

ただ、全体的にもう少し長く描いても良かったのではとも思います。
のっこちゃんの若おかみとしての修行部分や幽霊として登場するライバルの真月ちゃん姉との姉妹の関係性を個人的に物足りなく感じてしまいました。
子供向けだとはいえ、この映画の上映時間は凡そ90分くらいと比較的短いので、あと10分くらい使ってそれらを描いても全然問題なかったと思います。

あと、劇中で流れる小林星蘭ちゃんの歌が映画の雰囲気に合ってなかったです。
歌自体に文句があるわけでは無いのですが、アイドルアニメのキャラソンっぽい歌は完全にミスマッチだと思います。

また、真月ちゃんが色々と知識豊富過ぎたり、幽霊である真月ちゃんの姉の髪が何故か白かったりと突っ込みどころも少なからずありましたが、内容自体が良かったのでそんなには気にならなかったです。

その中でも、
終盤はのっこちゃんにとって辛い自体に遭遇するのですが、 最終的にそれを乗り越えるのがこの映画で何よりも感動した部分です。
観た方は解ると思いますが、あれを受け入れるのは相当勇気がいることだと思います。
自分は劇中のノッコちゃんよりも10年くらい長く生きていますが、自分が同じ立場だったとしてラストの展開を受け入れられるかと問われたら正直解りません。
もしかすると「許せない」と思うかも知れないです。
なので、それを乗り越えたこの子は本当に凄いです。
凄いな、偉いな、と思うと非常に堪らない気持ちになります。

ですが、その終盤の部分に関しては「あんな辛いことを簡単に受け入れられるわけない」と思う人もいるかとは思いますが、そこは個人的にリアル過ぎるとダメな質なので、全然問題なかったです。

非常に、観れて良かったと思います。
まだ観てない方にも是非ともおすすめします!

(余談)
これは欠点じゃないですが、劇中に出てきた占い師の女性に一言言いたいです。
「温泉は潜ったり泳いだりしてはダメですよ!」

タミヤ・ユウ