劇場公開日 2019年2月9日

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洗骨のレビュー・感想・評価

全75件中、21~40件目を表示

3.5背伸びしない身の丈の脚本が大好き

2019年4月7日
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鑑賞方法:映画館

どんな理由で、どこの誰に期待されてるのか全く理解できない、ゴリ押し新人監督が多い中。特に小難しい話をするでも無く、偉ぶった講釈たれるのでもなく、ラリった頭で無理矢理捻り出した世界観を見せられるでもなく。身の丈で背伸びをしない話が、すごく良かった。

伝統を引き継いで、命を紡いで、血縁の温かさに救われて。

笑いを取るのに高尚なセンスなんか要らない。泣かす場面はシンプルで判りやすいほど入り込める。ゴリさん、二作目にも期待してます。

気になるところは、やっぱり画で。ちょっと子供っぽい感じがするところが目についてしまって。コップに人物を写してる所とか。それと、「人物ドアップ」が多過ぎると思う。肩から上で頭頂部は切れてるサイズの。で、人物だけで背景はボケてる。TV画面サイズなら、それでも良いと思うけど、劇場のスクリーンなら、もっといろんなものを同時に映し込めて、色んな表現ができるのに。「洗骨前夜」から、画の作りと表現が変わります。撮ってる人が変わったんじゃないかと思うくらい。洗骨前夜以降の画は好き。

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bloodtrail

3.0強烈な風習

2019年3月29日
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鑑賞方法:映画館

沖縄栗国島の強烈な風習に驚き唖然とした。生死とは何か?命の源を改めて感じる事が出来る作品。
2019-61

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隣組

3.0廃れゆく風習と家族を結びつけた良い映画

2019年3月27日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

正直沖縄にまだこの風習が残っているとは知らなかったので
興味が湧き、観に行きました。

ガレッジセールのゴリさんが本名名義で監督し、
以前公開した短編映画を元に作ったそうです。

家族に愛されていた母の死をきっかけに湧き上がる家族内の問題。
様々な場面でリアルな風習と沖縄あるあるが垣間見れつつ、コメディを盛り込み重くなりすぎない感じでよかったです。

なんですが、、
ちょっとコメディ部分を散りばめ過ぎてたかな…。
もうちょっと減らして、面白いとこだけを残す感じで良かったと思います。

この映画を観たことでゴリさん監督の「沖縄を変えた男」も
一度鑑賞しようと思いました。

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fiiiga1

4.0日常の中に生命は巡る

2019年3月27日
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鑑賞方法:映画館

沖縄の珍しい風習をストーリーの中心にして、都会と島、昔と今、それぞれの家族のあり方がユーモアのある優しい視点で描かれていると思いました。目が腫れるほど泣きました。沖縄の音楽や民族衣装はさりげなく日常の中に入っているけど、観光案内のビデオみたいにわざとらしくなく、かえって印象に残りました。これがデビュー作!?とは信じられない日本映画の王道。

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zita

4.0しみました

2019年3月24日
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鑑賞方法:映画館

死と誕生、家族が続いていく上で必ず訪れるイベント。
悲しみの緊張は、半歩ずれると、思わず笑ってしまうもの。(古くは伊丹十三の『お葬式』とか)それを笑いを織り込みながら、良い話に仕上げていました。恐るべし、ゴリ(笑)
色々としみるシチュエーションもあり…。
最近観た映画の中では、すごく良かった。

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kawauso

3.5家族の物語

2019年3月24日
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正直、この作品のこと知らなくて、映画館に行って、ストーリーを読んで、観てみようかな…って感じでした。粟国島が本当にある島だということも知りませんでした。きっと、この洗骨って儀式も、本当にあるんでしょうね。映画を観るまでは、「おくりびと」のように、その儀式が、ずーっと収められているのかと思っていましたが、違いました。洗骨の儀式を中心に描いてあるけど、家族の物語でした。それも、とてもいい感じの家族の物語。しかも、ゴリさんが監督だからでしょうか、ちょいちょい笑いの要素もありました。Q太郎が出てきたときは、可笑しくて、可笑しくて…。叔母さん役の大島蓉子さん、とても良かったですね。いかにもオバちゃんなんだけど、水崎綾女ちゃんのこと怒りながらも、他人に中傷されるとかばってくれたりして…。すごく強い味方でした。洗骨という儀式は、個人的には、二度も悲しい思いをするのは嫌だなぁと思いました。でも、映画の中でもありましたが、神秘的な儀式なのかもしれませんね。生と死に触れている作品なので、涙も出ましたが、悲しいばかりではなく、暖かい気持ちになれると思います。

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らぶにゃん

5.0来た。観た。ヒージャーもわんも泣いた。

2019年3月17日
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鑑賞方法:映画館

やっと長野県に上陸した「洗骨」。
たった2週間の上映に会社を休んで駆け込みました。

厨子甕に改葬するために肉親みんなで洗骨するんですよね。今はおもろ町に移転した県立博物館に厨子甕はたくさんありますね。

火葬が普通になっても、今でもやっぱりみんなで故人の話をしながら体の一つ一つを確かめながらお骨を拾うし、
子どもたち孫たちに骨を洗ってもらうって、こんなに幸せなことってあるだろうか。
だから、しっかり家族を守って生きたい!と強く思ったよ。

奥田瑛二、さすが。
安藤サクラや娘婿に負けてない。

ウチナーのおかーたちも大したもんだ。なりきった大島のおかーにもぶっ飛んだが、古謝美佐子ネーネーもいい歌を作ったね。あの長い髪には長野県の館内にもどよめきが起きました。

ゴリ、ありがとうね。
頑張ったね。

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きりん

3.0お兄ちゃん、ありがとう

2019年3月17日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

知的

難しい

神聖な儀式をのぞかせてもらえた、心が洗われる映画。
大島芳子さんが場を盛り上げてくれます。
しんみりすると、芸人さんがなごませてくれるんですが、私としてはしんみりしたまま進めて欲しかった。

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ふわり

4.0じっくりと考えさせられる作品でした

2019年3月11日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

幸せ

もともとこの因習に興味があって見たのですが、文化風習の観点だけでなく、物語としてとても興味深く楽しむことができました。
見終わった後にじんわりと余韻が広がって。。家族や人との関係、先祖への思いなどをじっくりと考えさせられる作品でした。

役者さんは演技派と個性派がそろっていた中で、ひときわ主演の奥田さんが印象的で素敵でした。
格好いい・渋いといった印象の強い奥田さんがとてもなさけないダメ親父で、みっともなくてかわいくて、新しい一面を見ました。強い印象なのに物悲しくて優しい目がとても素敵でした。
思いがけない役者さんの魅力と素敵な映画に出会えてよかったです。

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ちいまめ

3.5知らなかった

2019年3月10日
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鑑賞方法:映画館

英学映画を見て思うこと。
今まで知らなかったことを体験できること。
今回の洗骨も然り。

タイトルだけを聞くと。
怖いとう言うか悍ましいと言うか。
でも人を失って、喪失の消化、再生する背景を垣間見ると必要に感じられる。

沖縄独特の笑いがあり、見終わった後にあったかい気持ちになれる。
ゴリ凄い。

監督伊達じゃないですね。
無性にナビィの恋が見たくなった。

粟国島、一緒だよね?

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emp

3.0ガレッジセールゴリさん監督 見やすい映画だった 奥田さんが流石の演...

2019年3月9日
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ガレッジセールゴリさん監督
見やすい映画だった
奥田さんが流石の演技力
家族、生と死を考えさせられる

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おれ

5.0涙腺崩壊しました

2019年3月2日
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バラバラだった家族が母親の死後四年後に、家族としてまた集まるという。

情けなく見える父親、出世した兄、奔放だった妹。離れて暮らす家族が集まり母親の洗骨という死の儀式と生命の誕生の立会い。

ああ、家族って、お葬式や結婚式ってそんなだったなぁと思いました。
沖縄の優しい背景と時折笑えるところもあり、とてもよい映画でした。
みてよかったです。

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ネコ三昧

3.5お笑い芸人のゴリが監督・脚本ということで、随所に笑いが散りばめられ...

2019年3月1日
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鑑賞方法:映画館

お笑い芸人のゴリが監督・脚本ということで、随所に笑いが散りばめられていたのだけど、正直ちょっとしつこいw
そのシーンの空気感に入り込みそうになると小笑いがブッ込まれてくるので浸れず。
特になんでQ太郎チョイス?あんな画だけで笑いをとる人にさらにネタブッ込まれたら色々気が散るわ。
役どころ的には必要だと思うから、普通のちょっと小心な優男くんとかで良かったんじゃないかなと思う。

話自体はとっても良くって、作品冒頭で「洗骨」については肯定的な意見も否定的な意見もあると言っていて、その時点で私は否定的だったけど、実際の洗骨シーンを観たら肯定派に寝返った。

あと、最初は叔母さんは敵かと思っていたらめちゃめちゃ頼りになるし、すごく信頼に足る人物だった!

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👘

3.5エグかったかな

2019年2月27日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

楽しい

笑ったり泣いたり面白いけど疲れました。

沖縄フリークとしては美しい海と三線、神秘的な風習、素敵な場面もたくさん描かれていて嬉しいですし、よくぞ初監督でここまで作り上げことは拍手ですが。

ありきたりのようで、ダメダメすぎる家族。奥田瑛二、こんなにおじいちゃんだったっけ、、やりすぎでしょう。
洗骨の場で陣痛、出産。生と死の表現をこんな単純な対比で描くなんて、ちょっとトラディショナルな男の発想なのかな、陳腐。
しかも、自然分娩なら出産で会陰切らないで産めよ~って細かいけど突っ込みたくなる。人間の自然の力をもっと信じてほしいな、こういう映画なんだから。エグい。
最後の「照屋エミに捧ぐ」もいらないかな。入れなくたって背景は想像できるものです。
意図的なものを感じすぎてちょっと引くし、映画の余韻にひたれない。
前半は店舗よく笑いと涙と人情でよかったんですが。

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rei

4.0心に染み入るものがある

2019年2月27日
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鑑賞方法:映画館

死者との決別を自覚して受け入れることは、実は自分を見つめなおし肯定すること。火葬より洗骨風習の方がそう考えやすいかも。
実の母親の四十九日を終えたばかりの我が心には、いろんなことが沁みる。
ペーソスが効いていて、なかなかの作品である。

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こばりん

4.0信綱にイライラ

2019年2月24日
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ガレッジセールのゴリの初監督作品。初監督とは思えないほど見応えがある。基本的にはシリアスな作品ながらもセンスの良い笑いが散りばめられており楽しい。
唯一、奥田瑛二演じる信綱だけは、アル中で話し声もぼっそぼそで全く好感が持てなかった。

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あいわた

5.0メッセージ性ある作品

2019年2月24日
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離島の風習を描いたメッセージ性高い作品で、ゆっくり静かに流れるストーリー。監督がゴリでなかったら、ちと眠いくらいの作品になってたかもしれません。
が、さすが芸人ゴリさんで小さな笑いを誘う箇所が多数で、飽きさせることなく見入ってしまいました。
凄く真面目な作品なのに、涙あり感動あり、笑いもしっかりありで良かった。
カンヌ受賞作品になってもおかしくないレベルの完成度高い作品でした。

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卵かけご飯

5.0もうなにもかもうまい。

2019年2月24日
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鑑賞方法:映画館

全編優しさに溢れている良い作品でした。人って助け合ってお互いを気づかって生きていくんだなー、と。
お話からキャスティングから撮影や音響までどれもこれもドンピシャな伝わり方でうまい。
特に脇の大島さんはさすがなキャスティング。相変わらずにビシッと作品ひきしめて最高でした。
面白かった。

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peanuts

4.5泣ける映画には笑いがあふれている

2019年2月23日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

幸せ

 これはあくまで私の持論ですが、「泣ける映画には必ず笑える場面がある」と思っています。笑いとは表現する側と受け手との間に“共感”があってはじめて生まれるものだと思います。だから、たくさん笑わされてしっかりとした共感関係ができていれば、ハートをがっつりと掴まれている分、揺さぶられやすい──つまり、感動できる、泣けるのだと思います。
 例えば、本作『洗骨』はそんな作品です。“ガレッジセールのゴリ”もとい照屋監督は、お笑い芸人という経歴を活かし、全編にわたって笑いがあふれ、心揺さぶられる本当に豊かな映画を作り上げました。私が観に行った回では、ほぼ満杯の劇場が、たびたび大きな笑いにつつまれ、最後にはそこかしこから鼻をすする音が聞こえてきました。
 本レビューでは、本作の豊かな魅力を様々な観点から紹介していきたいと思います。

➀「せっ○すー!」とQ太郎
 ギャグも、単にコントを映画に置き換えただけのものではなく、ちゃんと映画的な笑いになっていると思います。例えば、個人的に本作の中でも一番笑った「せっ○すー!」という場面があるのですが(本編をご覧になった方なら、これだけでも分かるはず)、これは単なる下ネタではなく、大人たちの嘘と男の子の認識のズレがちゃんと前フリとして描かれている、実は結構高度なギャグだと思います。(とは言っても、全然シュールだったり難解だったりする訳ではないので、ご安心ください。劇場内も大爆笑でした。)
 ……と、絶賛一辺倒で終わってもよかったのですが、お笑い芸人の鈴木Q太郎が演じる(というか、そのまんまQ太郎にしか見えませんが)「亮司」のキャラクターだけは個人的にかなり引っかかりました。映画全体としては、むしろ上品な笑いが多いとさえ思うのですが、彼のギャグだけは著しくバランスを欠いているように感じます。
 ただ、亮司には島の外から来た人間として、「島の風習に対して素朴に驚き、観客が抱くであろう疑問を代弁してくれる」という明確な役割が与えられています。なので、例えば、「あの世」と「この世」の境目にドギマギする場面なんかは、彼がうろたえる気持ちもよく分かりますし、普通に面白いです。

➁ツッコミが観客の気持ちを代弁してくれる
 ダウンタウンの松本人志曰く「ツッコミの役割は、観客の気持ちを代弁することである(大意)」そうです。本作にはそういう意味での“ツッコミ”にあたるセリフがたくさん出てきます。
 例えば、店長との妊娠について「子どもさえできれば、自分のものになるかもしれないと思って……」と話す優子に対して、信子おばさんが冷静に「お前、考え方あぶないな……」とつぶやきます。このツッコミが入ることで、観客は笑うことができ、優子にドン引きせずに済みます。信子おばさんはそれ以外の場面でも、思ったことをズバズバと口に出して、こちらの気持ちを代弁してくれるので、実に痛快です。
 また、真夜中に医院の前で剛が信綱と口論になる場面では、最後にお医者さんの「もう……よそでやってよ」というぼやきが入ります。ここは本作の中でも最もシリアスで悲しい場面の一つですが、ここであえて“外部の目”からのツッコミを入れることで、過剰に悲劇的で重たい雰囲気に傾くのを上手く避けているように思います。

➂子どもの動きが素晴らしい
 前述の通り「せっ○すー!」は問答無用の名場面だと思いますが、それ以外の場面でも子どもの動きがとてもいいです。子役の演技が上手いというより、自然な反応を引き出す監督の演出が良いのだと思います。
 例えば、優子のお腹を触らせてもらう場面では、女の子は興味津々という様子で自分から進んで触りにいくのに対して、男の子はなんとなく怖がっている様子で、「いい」と首を振ります。また、洗骨の場面では、今度は逆に女の子は少し怖がっている様子で、母親にずっとしがみついているのに対して、男の子は「俺、平気だし!」という表情で、積極的に作業を手伝っています。
 「男の子だから、女の子だから……」という単純な話ではなく、子どもによって全く違う反応を見せるところが、いかにもありそうでリアルだなと思いました。

➃語り過ぎない・説明し過ぎない
 過去に信綱の工場が潰れたことは、台詞の端々から分かるのですが、具体的に何があったかは「仲間の裏切りがあった」こと以外は何も語られません。また、剛が妻と離婚したことは分かるのですが、その原因や経緯についてはやはり何も語られません。
 本作は、あくまで母・恵美子を中心とした新城家のドラマに焦点を当てているため、無駄に何でもかんでも説明しようとはしないのです。ドラマとしての無駄を削ぎ落とし、できるだけシンプルな話にすることで、余剰としての笑いをたっぷりと注ぎ込むことができます。そして、この余剰としての笑いが作品にあまりにも多くの豊かさをもたらしているのです。

➄回想シーンが一つもない
 例えば、台風の日のエピソードが出てきますが、これはセリフで語られるだけで、回想シーンは挿入されません。信綱の工場の話でも剛の離婚の話でも、回想シーンが挿入されることは一度もありません。このことが上記の「説明し過ぎない」ことにもつながっていると思いますが、本作ではもう一つの重要な意味をもちます。それは、「恵美子が生きている姿を見せない」ということです。
 本作で恵美子が生きて動いている場面は一ヶ所だけしかありません。短い場面ですが、在りし日の彼女が台所に立つ様子がありありと浮かぶようですし、信綱が彼女のことをどれだけ愛していたかが痛いほど伝わってきます。また、ここは優子がもうすぐ子をもつ親となり、だんだん母親に似てきているということを象徴する重要な場面でもあります。この場面を印象的に見せるために、全ての回想シーンを封印したのであれば、照屋監督は間違いなく天才だと思います。

➅完全な悪者・ダメな奴をつくらない
 序盤に商店のおばさんたちが優子の心無い噂話をしている場面が出てきますが、彼女たちが“罪滅ぼし”をする場面が終盤にちゃんと描かれているところに、監督のやさしさを感じました。また、ずっとオロオロしていてどうしようもない父親だった信綱も、最後の洗骨の場面では堂々とみんなの前に立ち、一家の長として先頭を率いる姿を見せてくれます。
 完全な悪者やダメな奴をけっしてつくらないという監督の姿勢が、何気ない描写に表れていて素晴らしいなと思います。

➆「洗骨」とその他の島の風習
 本作のクライマックスでは、満を持して「洗骨」の様子が描かれます。ケレン味もハッタリもなく、ただありのままその様子を描いているのですが、息を呑むような静かな迫力に満ちており、目を奪われます。風葬した骨がどんな状態になっているか、実際にどのように骨を洗っていくかも、誤魔化すことなく全て見せてくれますので、ぜひ本編をご覧になっていただきたいと思います。
 本作のメインはあくまで「洗骨」であるため、それ以外の島の風習や生活文化の描写は、実は意外と控えめだったように思いますが、小魚の“スク”の群れを男連中が網で囲い込む場面は、画面的にも動きがあってすごく楽しかったです。直前にはシリアスな場面が続いていましたが、身体を動かす内に自然と笑みがこぼれる剛と信綱の表情がすごくいいです!
 素朴に「こんなことするんだ!」と勉強にもなって面白いですし、もっとこういう場面を入れてほしいなと思いました。照屋監督には、次回作でも沖縄を舞台にした映画を撮ってもらいたいです。

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カミツレ

4.0この作品好きだ

2019年2月23日
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鑑賞方法:映画館

とても良い映画だった。緩急に富んだ飽きさせない物語。絶妙な間の外し方。大事なシーンでふっと音が途切れて無音になるところなんかとても印象に残った。ゴリさんにはぜひ次の映画も撮って欲しい。

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P.P