劇場公開日 2018年10月19日

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「青春の燃え滓を集めてみようとしても燃え滓だから触れたしりから灰になっていくような話…」ここは退屈迎えに来て もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5青春の燃え滓を集めてみようとしても燃え滓だから触れたしりから灰になっていくような話…

2020年9月9日
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鑑賞方法:VOD

①題名と門脇麦が出ているから20代の女性のアンニュイな恋愛ものだろうと勝手に思っていたら、全く違う話でしたね。②私も地方の生まれ・育ちで、若い頃は地元が嫌だったので彼女らの気持ちは遠い昔の話だが何となくわかる。ただ、私の場合は、東京なんかではなく海外に行きたかったね(一応行けたけど)。だから東京に行きたいという気持ちはもひとつピンとこないけど、何かに成らなくちゃという焦りみたいなのはあったようにボンヤリ記憶している。でも、そんな曖昧な願望を持っていても結局何にも成れないんだよな。ましてや、何かに成りたいという夢すらなければ本当に何にも成れないんだよね(でもまあ元々夢なんてないのだから、本人は結構それで満足しているのかも)。③何にもなれていない現代の自分に幻滅してふと高校時代を振り返っちゃうという映画なんだろうけど、30も半ばになるとそんな郷愁も感じられなくなるくらい現実が迫ってきますぞ。④門脇麦は少ない出番ながらさすがの存在感。橋本愛は不細工になった?⑤橋本愛もチンポ君も高校時代輝いていた成田凌を密かに慕っていたんだね。でも現実は残酷。成田凌は高校時代が人生のピークだったような男を好演。⑥彼女ら彼らの回りに兄とは違い自分の夢を叶えた妹や、地方で若さを失う前に何とか結婚する娘たちのエピソードを置いて話に幅を持たせている。⑦時間も登場人物もころころ変わっていく流れに最初は戸惑ったけど、どこかで話が繋がるんだろうなと思っていたらやはり繋がりました。映画の最初と最後にオードリーの「ティファニーで朝食を」が出てくるけど、映画の作り方というの同じオードリーでも「Two for the Road」のほうが近いというか殆んどおなじだね。脚色家インスピレーションをうけたのかしら。流れも雰囲気も悪くないけど飛び抜けて佳作というわけでもない。

もーさん