劇場公開日 2018年11月2日

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「原作を中途半端に引き継いだB級映画」ヴェノム hhgさんの映画レビュー(感想・評価)

0.5原作を中途半端に引き継いだB級映画

2019年6月3日
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トム・ホランド主演のスパイダーマンに今作のヴェノムが合流する噂を見かけて慌ててレビューを書きに来た。
スパイダーマンはMCUに加入しておりアベンジャーズと関わりが深いだけに今作の原作設定を中途半端に引き継いでデッドプールの2匹目のドジョウを狙ったお粗末なヴェノムの皮を被った何かが合流なんて心底勘弁願いたい。

なぜなら今作のヴェノム、スパイダーマンそっちのけで終始している。
原作ではヴェノムの生みの親と言っても過言ではないスパイダーマンがだ。勿論トム・ホランド演じるスパイダーマンも登場しない。

それどころか今作のヴェノム、ヴィランにも拘らずヒーローまがいな事すらしている。
ヴィランが善行をしてはいけないなんてルールは無いしむしろカタルシスある熱い展開で個人的には好きな部類だが、皮肉にもアイデンティティであるスパイダーマンをどこか遠くに投げ飛ばしてそれを展開してしまっているのがいただけない。

「ヴェノムだってスパイダーマンから卒業し自立して善行したっていいじゃないか!」と思う人もきっといるだろう。
特にサム・ライミ版スパイダーマンや原作のあらすじを知らない今作がヴェノム初見の人は。
でも、スパイダーマンに執着するのがヴェノムの個性である以上そうなってしまってはもはやヴェノムである意味がないし、ヴェノムとして破綻してしまっている。
そのぐらいスパイダーマンとヴェノムの関係性は根深い。

トム・ハーディもトム・ホランド演じるスパイダーマンとの共演に意欲的なようだが、じゃあ尚更なぜ関係性の深いスパイダーマン要素を今作では薄めたストーリーにしてしまったのか、その状態で共演を望むのか、「スパイダーマン ホームカミング」と世界を共有していると語る制作陣含め甚だ理解に苦しむ。

何より今作は上で述べた事以外にそもそもストーリーに破綻している箇所が多いので噂通り合流したとしてもお互い火傷する未来しか見えない。

中身はどうあれ生きている内にヴェノム単体映画を観る事はできたので情けの星0.5
批判と言えどもここまで長文で書く程度には期待していたんだなあとこのレビューを読んでくれた人には思って欲しい。

hhg