劇場公開日 2019年12月13日

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「イニシエーション・デブの褌ヌードはマニア必見」カツベン! 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0イニシエーション・デブの褌ヌードはマニア必見

2019年12月24日
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鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

幸せ

予告編を観たらあまり面白そうな感じはしなかったがあの周防監督作品なら観ようかなと思った
21日フジテレビの土曜プレミアムで加藤シゲアキ主演の『悪魔の手毬唄』を観た影響もある

活動弁士の話
だからカツベン
トンカツ弁当の話ではない
エキベンならどっちだがカツベンである
無声映画全盛の時代だからかなり昔
花の大正浪漫はいからさんが通る
昭和10年作品の丹下左膳(大河内傳次郎主演喜代三助演)をDVDで観たことあるがすでにトーキーだった
活動弁士活躍の場は案外短かった

個人的に大好きなドタバタコメディー
ヤクザが登場し暴力シーンや発砲シーンがあるがなぜかほのぼのとしている

タンスの押し合いはドリフの看護婦のコントを思い出した
ヤクザの頭に看板が落ちるのもドリフを連想した
わりとこういうのは好きだ
こういうのを楽しめない人は不幸である
これを笑わずして何で笑うのか疑問である
ヨボヨボの婆さんが転倒して立てなくなっていたら大笑いするのだろうか

南方のヒロインでデタラメなことを言って笑わせるところも面白くて良かった

脚本としてもうまくまとまっているし破綻はしていない
屍人荘の殺人を観たあとだから余計にそう感じるのかもしれないが奇をてらうところは一切無し
だから物足りない人もいるかもしれない

成田凌の活動弁士役がとても上手だ
イケメンだけでなくわりと器用なのね
忙しい最中よっぽど役作りしたに違いない
コメディーもなかなかのテクニシャン
しかも努力を惜しまない
最後は坊主頭になっているがあれは本当にやってそうな気がする
『ヒロイン失格』の桐谷美玲と違ってリアルだ

梅子役でヒロインの黒島結菜の芝居を初めて観た
誰かに似ていてその人かと思ったら違った
でもその人の名前は出てこない
黒島も若手のわりにそこそこ上手い方だ
朝ドラに主演してもっともっと有名になればいい
子役の女の子は美少女

高良健吾や井上真央のちょい悪ぶりもなかなか良かった
こういう役もどんどんやればいい

周防監督作品ではお馴染みの人たちは今回も安定していた

新潮の記事によると永瀬がやっていた役は当初監督が加瀬亮を希望していたんだけど本人に断られたらしい
理由は加瀬亮が成田凌との共演を拒んだから
どうしてかというと2人が某歯茎女優と穴兄弟だから
取材が甘いというかこれだけでは信憑性に欠けるというか次回に続くのか納得がいかない記事だけど
それにしても加瀬亮も成田凌も振って歯茎のくせに意外とモテるのね
永瀬に対する違和感はこれが理由か

シャーロット・ケイト・フォックスや上白石萌音や奥さんなどが無声映画の役者として出ていたことに全く気づきませんでした
それを知ったらもう一度観たくなりました

野川新栄