劇場公開日 2018年6月22日

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「一体なにコレ」焼肉ドラゴン buckarooさんの映画レビュー(感想・評価)

0.5一体なにコレ

2018年5月18日
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ほら、よく言うじゃないですか
「映画と演劇は違う」みたいなこと。

この「焼肉ドラゴン」なんですけど、まさにソレ。
これね、ハッキリ言って映画になってない。

登場人物多数。
この人たちが、とつぜん登場しては、怒ったり泣いたり喜んだりするんだけど、
しかしなぜこの人達が怒っているのか、悲しんでいるのか、喜んでいるのか、まったくわからない。
なぜなら、わかるようにつくってないから。

映画って、編集した画の積み重ねで、主役を始めとする登場人物の感情を描いて、ストーリーを紡いでいくでしょう?

この映画にはそれがないの。「画がうつってたら、映画になる」とでも思ってるんじゃないのかなぁ。
演劇の手法をそのままやっちゃってるかんじ。これはキツい。

ストーリーにも難アリでしょう。
せっかくの在日韓国・朝鮮人という題材でありながら、登場する人物たちが直面するのは、誰と誰がくっついた別れた、やっぱり今でもオマエが好きだー!ていう、そんな話ばっか。
姉の元カレと結婚して、しかも一つ屋根の下で暮らす、なんて異常。

肝心の民族差別や、土地立ち退き問題はほんとうにオマケ程度で、
特に立ち退きを迫る市役所職員の演技なんて、吉本新喜劇か!っていうくらい噴飯もの。
「あぁ、制作者たちは、実はこの問題にあんまり関心がないんだな」っていうのがわかる。

編集ナシの長回しカットが多いが、これがまったく効果なし。
北野武も、名編集者・谷口登司夫から「映画=編集である」というのを教えられたというが、今作も優れた編集者がついていたら、こうはならなかっただろうね。

あとさー、冒頭とエンディングに、1人称のナレーションが入るんだけど、あれってあの人がしゃべってる、ってことだよねぇ?
え?どういうこと?それっておかしくない?まったく意味不明。

buckaroo