劇場公開日 2019年6月21日

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「吹替がオススメ」X-MEN:ダーク・フェニックス msouさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0吹替がオススメ

2019年7月13日
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現在のマーベル映画隆盛の先駆けとして20年続いてきたこのX-MENシリーズは、他のスーパーヒーロー映画とは一線を画した独自の世界観を持っている。

進化した人類として超人的能力を持って生まれた主人公たち「ミュータント」はその能力や異形の姿から「普通の」人間たちからは称賛されるどころかマイノリティとして差別を受け苦悩する存在であり、そうした差別による困難やマジョリティである人間たちとの複雑な関係に実際の歴史的背景を交えつつ、ミュータントが人間と同等の権利を獲得するために様々な形で闘うことが大きなテーマのスーパーヒーロー映画である。

さらに、主要キャストのマカヴォイやファスベンダー 、ジェシカ・チャスティン、ソフィ・ターナー、ジェニファー・ローレンス等挙げたらキリがないほど、アカデミー賞はじめ各映画賞常連の超実力派俳優が有り得ないぐらい揃い、スーパーパワーだけでなく演技力で闘うのがこのX-MENシリーズのもう一つの大きな魅力でもある。
しかし今作は特に地に足の着いたエモーショナルな人間関係により重点が置かれた物語で、キャラクター同士の会話が物語の肝でもあるのだけれど、字幕ではどうしても文字数の関係上台詞が端折られてしまっており、英語の聞き取りが難しく字幕に頼る必要のある観客にはキャラクターの意図やストーリー進行の理解が不十分になっている感があった。もちろん卓越した俳優たちの肉声と演技を楽しむには字幕が一番ではあるが、英語を聞いて字幕を頭で補完するのが難しく映画そのものや今作の素晴らしいアクションシーンや映像、ハンス・ジマーによる音楽を十分に楽しみたい場合は、個人的には吹替をオススメしたい。
吹替は全てシリーズ最初から各キャラクターを担当しているプロの声優のみで構成されているので、元の映画を毀損することなく最大限に堪能できると思う。

msou