劇場公開日 2018年6月16日

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「北朝鮮のVIPを巡って三つ巴の縄張り争い!」V.I.P. 修羅の獣たち とえさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0北朝鮮のVIPを巡って三つ巴の縄張り争い!

2018年6月21日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

面白かったなぁ

最後までドキドキのサスペンス映画だった

ソウル南部で、若い女性ばかりを狙った連続殺人事件が発生
容疑者として浮かび上がったのは、北朝鮮最高幹部の息子だった

そのVIP を逮捕したい韓国警察と、
その事実を明るみにしたくない国家情報院、
そして、彼をうまいこと利用したいと考えるアメリカCIA

誰も手をつけられないVIPを巡って、彼らの三つ巴の縄張り争いが繰り広げられる

この映画で、面白かったのは、そのVIPを通して見えてくる
韓国、北朝鮮、アメリカの関係だった。

国際情勢などお構いなしで、好き勝手に暴れまわる北朝鮮と、
まるで腫れ物に触るみたいに手がつけられない韓国。
そして、美味しいところだけを利用して、後は韓国に丸投げのアメリカ

アメリカから球を投げられた韓国は、なんだかんだ文句を言いながらも、言われた通りにしか動くことができない
その韓国の煮え切らなさが、ますます事態を悪化させてしまう

そこでこの映画では、
そろそろアメリカの言いなりになるのはやめて、自分の手で決着をつけようじゃないかという希望を描く

それはそれで、アメリカに対する韓国の意思表示みたいなものが見えて面白かったのだけれど
北朝鮮に対しては、どんな関係でありたいのかが見えなかったのが、少し残念だった

二国の関係が時々刻々と変化していて、先が見えないのは分かるけど、
北朝鮮に対して国民はどう思っているのか
その本音が見えたら、もっと面白かっただろうなと思うと、残念だった

そして、VIPを演じたイ・ジョンソクは、私は今回、彼目当てで観たのだけど、期待通りで、お見事な演技を見せてくれた

イ・ジョンソクは韓国映画界の期待の星で、これからの作品が楽しみな俳優である

とえ