劇場公開日 2018年4月14日

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「銃社会で無くても国家が崩壊するとどうなるのか?」ラッカは静かに虐殺されている 巫女雷男さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5銃社会で無くても国家が崩壊するとどうなるのか?

2020年5月16日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

シリア・ラッカにてイスラム国ISの極悪非道を世界に配信するジャーナリスト集団RBSSにカメラが迫ったドキュメンタリー。

40年近くあったアサド政権の崩壊、そしてアラブの春。
学生らが革命に参加。その後彼らはスポークスマンやカメラマンになっているのが興味深い。

政権空白期間、ラッカに進出してきた集団があった。
イスラム国だ。
彼らは「我らが来たからには大丈夫だ」と広場に来た住民に人殺しを見せ圧力を掛ける。
彼らは新国を建国する。

RBSSもこの頃発足するのだがにISが黙っている訳が無く、彼らにも危険が。
トルコやドイツに拠点を設けてもISはすぐに嗅ぎつける。

ラッカに残る人間、外に出て情報を発信する人間。
どちらも地獄だ。

ISは最新撮影技術や編集技術にて自らを正当化し兵士を募集。メディアにも力を入れていたのが分かる。
反逆者を見せしめ、配信して恐怖を植え付ける。

武力と情報操作。ISは巧みにした訳だが、私は他人事では無いと感じた。
もし、日本も国家が崩壊し第二第三勢力が侵入、もしくは巧みに乗っ取られ、日本の武力も掌握された時どうなるのか?
ISと方法や順番違えども、ある規模の団体なら1人の指導者にてやりかねない話であるし、過去オウム真理教なんてあった訳だし。

「国に隙を作るな」と感じたドキュメンタリー。
シリアの悲しい事実。
色々な国の人々に受け入れて貰いたい。
他人事では無い。無関心ではいけない。
そんな映画だ。

巫女雷男