劇場公開日 2020年12月18日

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「いろいろいい感じの素材が集まっている映画なのに、作りが雑で訳がわからず、変な感じになっているとろが残念。」ワンダーウーマン 1984 Push6700さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5いろいろいい感じの素材が集まっている映画なのに、作りが雑で訳がわからず、変な感じになっているとろが残念。

2021年12月25日
PCから投稿

前作も見たけど、今回見てまず思ったのは、前はわずかながら色気的なものがあったののに、今回は全く無かったこと。

これは男性的にはよくない。

スーパーマンじゃなくて、ワンダーウーマン見に行くんだから、多少そういうの考えてくれよ、と思った。

主演のガル・ガドットさんは相変わらず奇麗とは思うけど、全然可愛くないし、面白くないし、色気もない。

これではつまんないおっさんがやるワンダーマンでもいいような感じだった。

いつも思うんだけど、これは女性監督にだいたい共通しているいやなところで、本作もこれがすごく出ていて、ちょっとげんなりした。

でも、女性ヒーローのアクションシーンは、最初から最後まで、十二分に入っていて飽きさせないし、クリス・パインさん演じる復活したスティーブとの恋愛シーンは、演技うまいしよかった。

84年といったら、日本だとバブルのちょっと前くらいかな?

前作では毒ガスを核兵器の代わりに使いたくて、第一次大戦の頃にしたんだろうけど、今回はバブル的なことをやりたくてこの年代にしたような気がする。

今回の敵の実業家はバブル的な人で、アメリカだから中身のない石油になっているけど、日本でいったらバブル時代に中身のない株や土地の売買をしていたような人だと思う。

やっぱり最終的に崩壊して、何でも一つだけ願いをかなえてくれる魔法の石にしがみつこうとする、ということになっている。

映画の中でこの魔法の石のことを『猿の手』と言っているけど、これはイギリスの小説家W・W・ジェイコブスによる短編小説で、知らなかったけど、かなり有名な小説らしい。

何かを得るためにはそれに見合った何かを失わなければならないという等価交換の話で、昔話にもよくあるけど、『ジョジョの奇妙な冒険』でよく使われるネタで、個人的には『ジョジョリオン』のロカカカの木を思い出した。

でも、それを滅茶苦茶に使っているところがよくないかな?

それどう考えても等価じゃないよとか、何で交換した物をあなたが貰うの?とかいろいろ疑問で、途中で意味がわからなくなって、え!なんで?の連続だった。

あと、この映画では、誰一人として人が死なないところが、いいような悪いようなところだった。

これだけ大掛かりなバトルして、魔法の石のおかげで世の中は大混乱。世界大戦になりかけているのに、人が死なない訳はないし、たぶん死んでいるんだろうけど、死ぬシーンは出てこなかった。

普通の映画ならこの人は絶対に死ぬというような死亡フラグが立っているような人も死なない。

普通のアクション映画だと、何でこの人は殺されなければならないの?仕事でやっているだけで、関係ないのでは?みたいな人もどんどん殺されていくから、こっちの方がいいような気もしなくもないけど、何か最後まですっきりしないようなもやもや感もあった。

全体的に観客として上から目線で言わしてもらうと、映像やアクションはよかったけど、内容的に、バブルや、等価交換や、女性ヒーロー、人が死なないところ等、いろいろいい感じの素材が集まっている映画なのに、作りが雑で訳がわからず、変な感じになっているとろが残念。

丁寧に構成すれば、もっといい映画になったような気がする。

Push6700