劇場公開日 2018年9月14日

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「「用意された言葉」だと感じる瞬間が一切ない、生きた姿」響 HIBIKI zoetさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0「用意された言葉」だと感じる瞬間が一切ない、生きた姿

2018年10月8日
PCから投稿

泣ける

楽しい

知的

鮎喰響が生きていた。
「用意された状況と言葉」だと感じる瞬間が一切なく、まさにいま生きている人をみていると感じた。

これは全ての時間において鮎喰響として生きた平手友梨奈の存在と、ひとつひとつの出来事と行動がつながっていて無理がない構成が大きいと思う。

鮎喰響をみていると、眼に嘘がない人だと感じる。
響は「周囲から期待される姿」に応じて振舞うことはしないし、できない。
生きることに誠実でやさしくて残酷な、鮎喰響という自分としてしか在れない人だと思う。

そんな響と関わった人たちは皆、「自分は」どう思うか・「自分は」どうするのかをはっきり自覚することになる。
しかしそこには自分を無理やり引きずり出された痛々しさはない。
響に好意的であるかどうかにかかわらず、重たいベールが脱げたようなすがすがしさがあった。

自分はこの映画のことも鮎喰響のことも大好きだ。
観たあとに、生きることに誤魔化しのない響の姿と、響への愛しさが残った。

zoet