劇場公開日 2018年4月28日

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「ブラックユーモア」ザ・スクエア 思いやりの聖域 ミーノさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ブラックユーモア

2018年5月13日
PCから投稿

笑える

知的

現代美術のキュレーターである主人公が、その中では誰もが平等で公平な権利を持つという4メートル四方の正方形の作品の宣伝を始める。しかし実際の世間は人が助けを求めても手を貸す人は少なく、そんな中、大声で助けを求める女性を見知らぬ男性と協力して守ってやったら、スマホと財布を掏られるという皮肉。一方、現代美術の砂山が清掃作業で崩されたり、サルの真似をする芸術が狂暴すぎたり、芸術家のトークセッションで病気の観客が卑猥な言葉を大声で繰り返したり、芸術、寛容、良心、道徳とは何かを問うようなハプニングが次々と主人公の周囲で起こる。主人公自身も、ホームレスに食べ物を恵むことがあったりする善人かと思えば、時々判断を大きく間違うという弱い部分もある。他に、わかりやすいクズの部下と、小賢しいクズの宣伝マン、更にエリザベス・モス演じる何を考えているかわからないアメリカ人女性など、登場人物も微妙にクレイジー。
非常にシリアスな内容だとも取れるし、全編ブラックコメディだと観ることもできる。2時間半の長い作品だが、中だるみもなく、面白かった。

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ミーノ