劇場公開日 2018年4月28日

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「なかなか辛辣で難しい」ザ・スクエア 思いやりの聖域 SHさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5なかなか辛辣で難しい

2018年5月10日
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鑑賞方法:映画館

知的

笑える

アートを取り巻く現状、もしかしたらアートそのものを問い質すような作品、それに加えて現代社会をも批判しているかのように見えたが、内容が結構難しくて作家の言わんとしていることを半分も理解できていないような気がする。
そもそも、作家の言わんとするところ、などという表現自体がこの映画においてはナンセンスなような気がするし、そんもん分かる訳ないんだから、思うがままに楽しめばいいだけなんだけど、単に楽しめない表現が多いし、なかなか鋭い社会風刺だなと思うところが多いが故、あれこれと作品の意図するところを読もうとしてしまった、結局徒労だなとは思ったけれど…
現代美術を積極的に鑑賞するような人ならば、作品の中のアイロニーがよく分かるだろう。それに対する受け止め方は、二分するとは思うけれど。
自分も現代アートなるものには触れてきている方だと思うので、そこからの感想をいうと、かなり笑えた。
ただエンディングは嫌い。数々のエピソードが絡み合って成立している映画であって、あのエピソードが必要だったのか個人的には疑問。確かにエピソード内、楽しめた部分はあるけれど、そのエピソードが無くても、十分に楽しめる映画だと思うのだが…尺も短くなるし、コンセプトも明確になっただろう。現代アートへのアンチテーゼと捉えられるのを避けたのだろうか。どうしても逃げに見えてしまう。
とはいえ、そもそもこの映画には高尚なコンセプトなど無い気がするわけで、エンタメとして楽しめばいいだけなんだろう。

SH