劇場公開日 2019年3月8日

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「凄まじいイメージの洪水!」スパイダーマン スパイダーバース kazzさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5凄まじいイメージの洪水!

2019年3月20日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

やられた❗
本当に、やられました❗

物語の設定は、マーベルでもDCでもお馴染みのパラレルワールドで、各世界に存在するスパイダーマンは、少しずつ違っている。
ま、これはアイディアとしては決して新しくはない。

しかし、物語の構成は斬新で面白い。
まず、主人公マイルスの成長物語と、異次元からやって来たパーカーの自己再生物語の二重構造になっているのが良い。
また、マイルスを取り巻く父親と叔父とのエピソードなど、ここまでてんこ盛りにしてしまうと消化不良になってしまい勝ちだが、上手く整理されていて、感動的ですらあった。
よく練られた脚本に感心する。

だがなんと言っても、ビジュアルの素晴らしさだ。
アニメーションの映像は、明確なイメージがなければ作れない。
あのビジュアルは、どうやって思いついたのか。
紙媒体のコミックをイメージしたドット網掛けを表現したり、遠近によるフォーカスのズレを表現したり、再現した技術も素晴らしいが、発想がなにより凄いと思う。

異次元から集まってきたスパイダーマンたちを、異なるコミックのスタイルで描いたことも、功を奏している。
「ロジャー・ラビット」でもモノクロのキャラクターがいたし、全く新しいアイディアとは言わないが、彼らが異なったそれぞれの世界で唯一のスパイダーマンだという設定をより活かしている。

次から次に浴びせかけてくるイメージの嵐を堪能した。

kazz