劇場公開日 2019年3月8日

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「凄いとしか表現できない新感覚アニメーション」スパイダーマン スパイダーバース きーとろさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0凄いとしか表現できない新感覚アニメーション

2019年3月17日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

興奮

並行世界が存在する世界観です。そういった設定が苦手な人はノリ切れないかもしれないので注意です。

あっという間の117分。体感40分くらいでした。
初めてのドルビーアトモス、吹き替え版にて鑑賞。画面大きかったです。特に縦に。音響は本編前のドルビーアトモス紹介の時は凄い!音動いてる!となったのですが、本編中は動きはあまり感じなかったです。でも音量というか音圧は十分に感じました。今後も本作のように映像が素晴らしいものや、ミュージカル等の音楽関連の作品はドルビーアトモスで観たいと思います。

本当は字幕3Dで観たかったのですが近場にはなかったので…でも吹き替えも良かったです。字幕が映像を邪魔しないので。
それと個人的な感想として、ピーターパーカー役の宮野真守さんは普通のアニメだと声が浮いているような違和感を覚える時があるので心配だったのですが、本作は実写の吹き替えに近いので合っていると感じました。宮野さんのコミカルな演技が好きなのでそこも楽しめました。他の声優さんも有名な方ばかりで安定していました。

初めて観るアニメーション表現で、なんと説明したらいいのか…とにかく凄かった。不思議な感覚がしました。セリフや音が文字で出たり、スパイダーセンスのウネウネが出たり、漫画がそのまま動いているようで楽しかったです。
映像と色彩の洪水で目と頭が追いつかない。ずっとハイスピードで心も追いつかない。悲しいシーンの後にあまり間を置かずに笑えるシーンが来たりするので泣きながら笑ったりして、忙しかったです。

キャラがスパイダーマンらしくユニーク。
ノワールが渋くて格好いい。可愛いところもあって好きでした。グウェンもサバサバしてて素敵。友達になりたい。
でもやっぱりピーターパーカーのどんな時でもお喋りなところがスパイダーマンだなあと思わせられます。
彼らの活躍をもっともっと観たかったです。
実写の『スパイダーマン ホームカミング』にもありましたが、格好いいヒーローに見られるのを意識して低い声で喋るのほんと好きです。

父親との関係がリアルで辛かった。愛しているからこそ、相手を思うゆえの厳しさ。それをお互いにわかっていても、どうにも上手くいかないことってありますよね。仲間間でもしかり。
ストーリーでも泣かされたのですが、スタンリー関連でも泣いてしまいました。あなたが生んだヒーローたちが大好きです。ありがとう。

泣いた手前言いづらいのですが、正直ストーリーは良く言うと普遍的。悪く言うとどこかで見たような感じであったり、深みもそんなに感じません。テンポが早いので感情的に忙しすぎてじっくりとは入り込めなかったりもしました。
しかし、それらを全部押し流すほどの圧倒的な映像の凄さ。本当に楽しい作品でした。見終わった後も10分程フワフワした感覚が残りました。

そしてメッセージ性もあります。誰だってマスクは被れる。自分が望んでないことが起きた時に、自信がなくて一歩踏み出せない時に、勇気をもらえる作品です。

きーとろ