劇場公開日 2018年4月28日

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「俺の町」犯罪都市 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0俺の町

2023年4月26日
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鑑賞方法:DVD/BD

興奮

こりゃもう、完全に往年の東映やくざ映画の世界。仁義なき漢たちの戦い!
邦画だって近年気合いの入ったやくざ映画が作られたが、やはり現在この手のジャンルにKOパンチを発するは韓国映画と思わせる。
何故韓国映画はこの手のジャンルに強いのか…?
作品自体の面白さも勿論、この世界に似合う“漢”がいるから。
マ・ドンソク兄貴!

兄貴が周囲をビビらせるやくざで…って、それは『悪人伝』で、
兄貴が演じるのは刑事。腕っぷしの強さと肝の据わった度胸と人柄で、地元のやくざどもと対峙していた。
そこへ、中国やくざが現れる。シマを荒らす。
黙っちゃいられねぇのは地元の韓国やくざ。抗争勃発。
警察も傍観や共倒れ期待なんてやってる暇はない。一掃作戦開始。
かくして、韓国警察vs韓国やくざvs中国やくざの三つ巴の闘いが始まった…!

話自体は特別目新しいものではない。唸らされるような捻りや展開もない。
あくまで直球王道。それがこの作風にぴったり。漢たちがぶつかり合う時は、いつだって面と面、正面からだ!
その旨みを活かしながら、韓国映画お馴染みのアクション、バイオレンス、スリル、非道な悪党、しびれる漢たち…面白さと魅力がぎっしり。
ナイフに素手で。腕力勝負の格闘もさることながら、本作の兄貴の最大の凶器は、張り手の一撃!
シリアス&ハードかと思いきや、意外とユーモアも。「弁護士の“スタンさん”」はウケた。

兄貴とその仲間たち。
彼らのやり取り、掛け合いも時々コミカルと人情味たっぷり。
班長はいっつも頭が痛く、部下たちは疲労困憊。
かと言って班長とは対立してるのではなく“分かってる同志”で、部下たちからも頼られ、面倒見もいい。
捜査で負傷した若い刑事。班を辞め、内勤に戻ろうとする。韓国映画あるあるだと「怖じ気づきやがって!」「それでも刑事か!」とパワハラする所だが、兄貴は彼を気遣い、意思を尊重。相手の婚約者にも頭を下げ謝罪する。
馴染みの少年へ見せる優しさ。
口が悪く、荒っぽい。でも、漢気あって、とにかく頼れる。温もりや人間臭さも滲む。何だか素の兄貴を見ているよう。
が、捜査の時は別の顔。時には手段を厭わない。
はっきり言って、兄貴らは違法の暴力捜査。
これが現実世界だったら大問題どころではない。フィクションだからエキサイティングであって、それとは別に『孤狼の血』と通じるものを感じた。

中国やくざは犬畜生。ボスは頭もキレる。こんな奴ら、絶対許しておけねぇ!
だからと言って、韓国やくざに肩入れ…? する訳ねぇ!
のさばろうが、報復しようが、街の治安を乱す奴らはぶっ潰す!
命懸け。やるか、やられるか。
警察として、仲間の為に、己の為に。
正義とか信念とか、そんな綺麗事じゃない。町とそこに住む隣人たちの為に。彼らの協力も得て。
いよいよ捜査も佳境。傷付いた者も…。
遂に追い詰めた。一対一の対決。待ってました! いけ、兄貴!

ここは、俺の町。かかってきやがれ!

うん、面白かった!
さて、続編も見ようかね♪︎

近大