「グリンチの変容に納得いかない」グリンチ　おじゃるさんの映画レビュー（感想・評価）

冬休み中の甥っ子たちのリクエストで一緒に鑑賞してきました。わかりやすすぎるほどの展開と随所に仕掛けられたギャグで、それなりに楽しめました。クリスマスシーズンのにぎやかな情景と登場キャラの生き生きとした動きで、映像的にも申し分ありませんでした。甥っ子たちも喜んでいたので冬休みの子供向け作品としては及第点なのかもしれません。

しかし、大人の目にはどうにもしっくりこないというか、腑に落ちない作品でもありました。それは、本作における主人公グリンチの変容ぶりにまったく納得いかなかったからです。グリンチが心に抱えた闇がすべての発端なのに、その描き方がやや雑に感じられ、さらに言えば、それがあまりにも簡単に解消されたようにも感じられ、どうにもモヤモヤしてしまいました。

そのため、せっかくのハッピーエンドもとってつけたような印象になってしまい、物語をかえって薄っぺらくしてしまったように思えました。そんな理解不能なグリンチにかいがいしく尽くす、愛犬マックスのかわいさは、せめてもの救いでした。