劇場公開日 2019年3月23日

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「胸に刺さる映画。」こどもしょくどう 由由さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0胸に刺さる映画。

2019年4月28日
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ユウト君の両親に対する言葉が、胸に刺さる。子供たちの問題に何もしないのは、「様子を見る」という便利な言葉で、実際には問題に巻き込まれることから逃れたい気持ちがあるからではないか。
印象的だったのは、タカシ君とミチルちゃんの表情だった。愛情を与えられない子供は、あんなふうに笑顔がなくなり、思考力も衰えてしまうのかな、と悲しい気持ちになった。特に、母親に抱きしめられるユウト君を見つめるタカシ君の気持ちを想うと、辛かった。
パンフレットを読んで、古川凛ちゃんのコメントに共感し、温かい気持ちになった。理想の社会は、小さな子供でも分かる単純なことで、ミチルちゃんとヒカルちゃんの姉妹が、一緒に暮らせて、学校に行き、美味しいご飯が食べられる社会であり、タカシ君が子供らしく笑うことのできる社会だと思う。
少し誇張された表現が気になったけれど、リアリティーがあって、子供の貧困という問題だけでなく、それがどの家庭にも起こり得ることだという社会全体の問題まで広げたところが、問題の本質を突いていると思った。

由由