劇場公開日 2018年11月3日

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「たった十年されど十年」十年 Ten Years Japan Bacchusさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5たった十年されど十年

2018年11月3日
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単純

難しい

今から十年後の世情を想像しつくられたオムニバス作品の2018年(2028)日本Ver.

PLAN75
75歳を超えると本人若しくは医者と家族の同意で安楽死出来るという世界。
役人の公私の葛藤とか、長生きは恥とか、家族の有無や生活環境で種々考えはあるだろうけど自分毎と考えた時に非常にハマった。

DATE
デジタル遺産カードで画像や動画、メールまで故人の情報を閲覧出来る世界。
幼い頃に亡くなった母親の過去が、父親や自身に繋がる話で、悪くはないけれど今現在でも出来る話でコンセプトのズレが引っかかる。

いたずら同盟
頭につけられたセンサー兼レシーバーと監視カメラによりプロミスというオペレーションシステムが子供達を型に嵌めて育てようとする世界。
これなら学校に行く意味もなくないか?という中途半端な未来像で、オチは悪くないけれど在り来たりだし物足りない。

その空気は見えない
汚染により地上では暮らせなくなり地下のシェルターで育った少女が年上の少女に影響され、地上に興味を持つ話。
具体的に何も示さずただ、危険としか教えない親に違和感。結局結論も完全に委ねられていて残念。

美しい国
日本で徴兵制が始まり、その広告を作る作家と担当編集者の話。
話としては非常に面白い。しかしながら「十年」というこの作品のコンセプトからしたら、所謂アンチ与党の人間が、野党の的外れな上っ面な見解を丸呑みして自己主張の為につくった様にしか感じられなかった。(別に自分は与党指示者ではありません)
たった十年と考えると飛躍し過ぎではあるけれど、まあファンタジーだからと考えると中々面白かった。

Bacchus
bloodtrailさんのコメント
2018年12月9日

横から失礼します。

ニルさんへ

あなたの仰ってることは、一般論としてはすごく良くわかります。同感です。

ただし、この映画の主題としては「その空気は見えない」というタイトルの現そうとしているものは何なのか、を考える必要があると思うのです。「理由のわからない、正当性すらあやふやなルール」は顕在化しており「見えない」には該当しないでしょう。ここではストレートに「汚染された空気もそうでない空気も目には見えない」。よって何が正しいかを「見る事はかなわない」から、過ちを犯すこともある。それが正しいこともある。ってなことを言いたいんだろうなと思う次第。

結論としては、Bacchusさんの言われている通り「結論は私たちに委ねられている」と思います。

bloodtrail
Bacchusさんのコメント
2018年11月6日

語彙力がなく上手く表現出来ませんが「違和感」は観賞中に感じたもので、それがその後の展開に作用することは良くあることですし、悪いということではありません。

結末については単にこの作品に対してエンターテイメントとして物足りないと私が感じたということです。

問題提起もわかりますが、ここまでみせていたら後はHAPPYでもBADでも単純なもので、それに対してどう考察するかで充分だと思いますが。

それと、議論を交わしたかったり反駁をぶつけたいなら、先ずは自分のレビューを書きませんか?

Bacchus
ニルさんのコメント
2018年11月6日

揚げ足を取るわけでは無く補足させて下さい。

>具体的に何も示さずただ、危険としか教えない親に違和感。

世の中には「主語を言わない」「危険がなぜ危険なのか?を教えないし言わない」親がたくさんいます。

「それはやっちゃ駄目」
って子供に教えたり躾けるのはいいのだけど、なぜダメなのかを教えない。

そうやって育った子供は、親や周囲の人間のその「理由のわからない、正当性すらあやふやなルール」に翻弄されて生きる…っていう話です。

>結局結論も完全に委ねられていて残念。

先の話の続きでもありますが、じゃあ「万人にとっての)正しい答え」って本当にありますか?っていう話であって。
暗黙のルールや常識って「郷に入れば郷に従え」ってことわざがある通り、自分の今いる場所や関わった人たちに取っての「常識」って、他の場所や他の人にとって非常識だったりします。

「じゃあ、法律があるじゃないか。」っていう話になるんですが、
法律ってそもそも、その地方ルールや様々な年代の人や性別の人や価値観の人が居る世の中で、誰にとってもメリットのある平均化された常識であったり、
法律はあくまで一つの行動の目安であったり、一つの基準だと私は考えています。

法律は守るべきルールではあるけども、
でも、最初に制定した時の法律が「改善の必要が無いぐらい完璧なものだったか?」って言われたら、疑問が出てくる。
そして、その大昔に制定されたルールが日々急速に変化する現代社会に合致するものか?って言われたらどうでしょうか。

何がいいたいかって、世の中に「真に正しい答えは存在しない」ということです。

良い行い・悪い行いとは?
それは宗教の罪と罰から来ているのか?
個人個人が持つ経験や知識から生まれた「善悪判断」なのか?

だから、結論を完全に提示せずに、各々で考えましょう。っていう問題提起なのに…、答えが無くて残念て…。
万人共通の教科書(一つの答え)が本当に正しいかどうかをも考えて見てはいかがでしょうか。

ニル