劇場公開日 2018年1月12日

  • 予告編を見る

「ネイビー・シモンズ 金塊を奪還するならず者を恫喝せよ!」ネイビーシールズ ナチスの金塊を奪還せよ! 浮遊きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ネイビー・シモンズ 金塊を奪還するならず者を恫喝せよ!

2018年1月21日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

舞台は90年代、ボスニア戦争末期のサラエボ。
ナチスドイツが隠した金塊を湖底から奪う為、
ネイビーシールズのならず者達が陸・水・空で大暴れ!
という、なんとも景気のよさそうなアクション作。
監督は『イントゥ・ザ・ストーム』のスティーヴン・クォーレ。
原案・脚本・製作は仏エンタメ映画界の巨匠リュック・ベッソン。

...

冒頭20分の大暴走アクションは楽しかったし、
クライマックスの金塊強奪作戦は「どうやって
湖の底から時間内に大量の金塊を運ぶ?」という
アイデアを意外にマジメに考案していたり、
微妙にインディ・ジョーンズ的謎解きも
混ぜ込んだりでちょっとワクワク。
アクションシーンではないが水中探索の場面も
見せ場になっていたと思う。水中に沈んだ街や
その教会などの風景は、幻想的で美しかった。

あと、正直おざなりのロマンス要素ではあったが
ヒロインを演じたシルヴィア・フークスも美人。
『ブレードランナー2049』を観た後だとチンピラ
2,3人程度は素手でノシてしまいそうに思えたが、
ここでは健気なヒロイン役。

そして誰よりJ・K・シモンズがグッド!
『セッション』『スパイダーマン』など、
相手を皮肉たっぷりに恫喝することにおいては
右に出る者がいない彼が(それ褒めてんの?)、
ここでも主人公たちを厳しく監視する少将を
茶目っ気たっぷりに演じ、最後は一番カッコいい所
も持っていく。“鬼の目にも涙”ってね。
こっちまでウルッと来てしまった。

...

ただ、予告からは『特攻野郎Aチーム』のような
ユーモア満載の荒唐無稽アクションを期待してたが、
ユーモアや荒唐無稽さはやや遠慮気味というか、
J・K・シモンズ以外はユーモアに全力で
振り切れてない感じ。

水中アクションが主体となるクライマックスも、
序盤のアクションシーンほどに盛り上がらないし、
その合間のアクション的な見せ場も少ない。
CGバリバリの空中戦以外はせいぜい主人公らが
酒飲んでケンカしたり、敵部隊がチマチマと
追ってくる様子が映るくらい。

ところで、水中でのアクションシーンを観ると
いつも思うのだが、水中撮影って物凄く大変だと
聞く割には動きはニブいし見えづらいしで
費用対効果が高いとは言えない気がする。
他作品と比較すると本作のそれは上位の方だとは
思うが、それでもクライマックスに持ってくるには
あまりエキサイティングとは思えなかった訳で。

最後も『さあこの絶対絶命の状況でどうやって敵ボス
を倒すのか?』と思ったら……ええ~、そんなオチ?
もうひと暴れくらい欲しかったよネイビーシールズ……。

...

前々からリュック・ベッソンの携わった
アクション映画がイマイチ好きではない自分は
(ユーモアセンスとドラマの軽さがどうも合わず)
過度な期待は禁物かもなあ、とも考えてはいた。
例外的に『アルティメット』『96時間』1作目は
好きなので、そんな出来だといいなとも思っていたが、
個人的な感想としては“その他大多数”の部類。
後味とJ・K・シモンズは良いので、まあまあの3.0判定で。

<2018.01.13鑑賞>

浮遊きびなご