劇場公開日 2019年1月26日

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「こういう映画を創り続けてほしいです…」デイアンドナイト shokotenさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0こういう映画を創り続けてほしいです…

2020年7月28日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

知的

映画、「栞」を観て阿部さんのファンとなり
勇んで観に行きました。

善と悪、真逆だと当たり前に思っていた
自分の愚かさというか、概念の危うさを
つくづく感じさせられ、
もしかしたら区切りが付かない程の
ボーダレスかもしれない…
ただ共通しているのは、善にも
悪にも、必ず悲しみが
寄り添っている事に気付かされました。

稀な境遇の人達の話ではなく、
自分が気付いていないだけで、じつは
今の自分、日々の生活を送って行く上で
実は周りをこういった事に
囲まれているという事に気付かされ
愕然とした思いです。
このような作品に出会わなければ、
きっと考えることも、思い返すことも、
気付くことも無かったと思います。

やたらに時空を飛んだり、
あるいは死が前提の内容の映画
ばかりではなく、きっと日本人だからこそ
表現できる、このよいな繊細な内容の
作品をぜひ創り続けていただきたいと
切に願いました。

とても難しい題材を、阿部さんを
はじめ、俳優さん方の
見事な演技力とストーリーで
綴られた秀作だと思います。

昭和の名作に通ずるような
重厚感を久しぶりに感じさせられました。

shokoten