劇場公開日 2019年1月26日

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「善悪の彼岸から臨む世界残酷物語」デイアンドナイト 野々原 ポコタさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0善悪の彼岸から臨む世界残酷物語

2019年7月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

あの頃の仲間もみんな 家族を築いてく
誰かが僕のことを「変わった…」となじるよ
キレイごとじゃすまされないこともあるだろ…
ふっとむなしくなる 思いにふたをして
“朝”が来たらまた 無理にでもほほえめよ
何もなかったように 途切れぬ悲しみ
消えゆく夢たち ちっちゃな喜びとぬくもり抱いて
ぼくらの日々は続く…
青いきらめきに 手を振る“夜更け”も
明日は ささやかな優しさにして
私たちの日々は続く…
【汚い大人に見えてるだろうか… 】
だけど希望失くしたわけじゃないよ
夢見る頃は過ぎても 夢見る頃は過ぎても

『Jungle Smile』より 夢見る頃は過ぎても

わたしの青春時代を彩ったアーティストのひとつです…

すべてを知っていた清原果耶さん演じる、奈々は
はたして、まわりの大人たちが
【汚い大人に見えていたのだろうか… 】

「事実、真実など存在しない。在るのは解釈のみだ。」

利益・不利益、有用性や影響力を鑑みて
「長いものには巻かれろ」のスタンスでいる方が結果、
ヒトは幸せなのかもしれない…

だが、そうあるべきか?と
疑問に思って行動を起こしても…
世間が、社会が、
個人を逆行することを許さない風潮の渦に流しこむ…

「一片の淀みなく、己が道を貫く…
       簡単なようで、何と難しい事よ…」

本作『デイアンドナイト』の
【善と悪はどこからくるのか…?】という
普遍的テーマの問いかけは深く、深く、
鑑賞者の心の奥に、こだまのように鳴り響く…

さて、本作が最も注目を集めたのは
プロデューサー《山田孝之》の存在でしょう。
ここで言うプロデューサーの仕事とは
クリエイター同士のマッチアップとオーガナイズ
そして撮影現場でのより良い環境づくりだったそうです。

そして主演の阿部進之介さん共々
企画段階から脚本に携わり
そしてキャスト選出から資金繰りと
多岐に渡りサポートしてきた山田さんですが、
その手腕はやはり、山田さんの【人柄】による所が
大きかったに違いありません!
その誠意と熱意が作品を通して伝わってきましたし、
結実したのを、わたしは確信しました!

俳優が制作に深く関わりプロデュースするという
新しいコンテンツモデルと
これからの映画の在り方を提示した意欲作!!
だと思いました!

野々原 ポコタ