劇場公開日 2019年1月26日

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「回り、そして巡るもの」デイアンドナイト ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5回り、そして巡るもの

2019年2月22日
iPhoneアプリから投稿

復讐の先に何があるのか。
大切な人を守って何が残ったのか。
奈々の問いかけが重くのしかかる。

善と悪の線引きの曖昧さや難しさを、つい考えてしまいがちだが、実は、その背景にある動機付けと、伴う結果が問われているのだ。

家族のため、愛する人のため、孤独な子供達のため、多くの従業員のため、生活するコミュニティのため、正義のため、様々な動機付けがもっともらしく語られても、それによって行われるものが、復讐や違法な行為であれば、その結果には虚しさが伴う。

奈々への贖罪で北村は罪滅ぼしが出来たのだろうか。
奈々は幸せになったのだろうか。
明石の復讐を父は喜んだろうか。
残された家族はどうだろうか。
孤児院の子供が、違法なお金で守られていたと知ったら喜ぶだろうか。
幸福な大人になれるだろうか。
隠蔽で守られた従業員は安心だろうか。

「そんなことはない」という答えは簡単だが、どこかに、やるせなさや虚しさが残る。そして、明解な解答が見つからないまま、過ごすしかないのだ。

僕たちは、そんな答えがあるようで、また、確信も持てない曖昧な世界に生きているのだ。
昼と夜が表裏一体であるように。
風車のように回り、そして巡って、また、同じ所に戻るように、答えを求め続けるしかないのだ。

ワンコ