劇場公開日 2018年1月27日

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「ティーン向けファンタジーとしては2.5、原作映像化としては0」ダークタワー ちかしさんの映画レビュー(感想・評価)

1.0ティーン向けファンタジーとしては2.5、原作映像化としては0

2020年5月10日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

「ミスト」映画化の際にも期待が高まったかと思えば突き落とされたり、「ダークタワー」の映像化は紆余曲折を経て、ついにという感じだった。
それなのに主演が黒人とは、発表時点で駄作決定だった。人種差別でもなんでもない。主人公がはっきりと白人として描かれていのを黒人でやる理由がどこにあるのか。そもそもイドリス・エルバは007でも物議を醸したのに。過酷な旅をしてきたとは思えないほど健康な顔だし、絶対マコノヒーこそガンスリンガー顔してる。
そこからもわかる通り、原作の世界観をガン無視なのだ。設定を変える、キャラを変える。その辺は映像化に付き物なのでしょうがないとして、「カ」の世界観は一体どこに。
細かい違いはあげるとキリがない。そもそも子どもたちは暗黒の塔を支えるビーム「を」破壊しているはずなのに、ビーム「で」破壊しているというとんでも間違い。つくったひとたち英語できないのか?
中間世界しか知らないはずのローランドがガスボンベを知ってたりと、めちゃくちゃすぎて、むしろ原作と同じところを探す方が難しい。極めつけはマーティンの必殺技「呼吸を止めろ」。ひどい。かっこ悪すぎて小物感しかない。
この原作シリーズは超大作で、キングが30年以上かけて築き上げた世界なのだ。そもそもキングという作家自体が日本では正当な評価は受けていないが「モダンホラーの帝王」なのだ。すごいひとなのだ。その彼のライフワークを90分でつくるなんて無理なのはわかりきっていて、スターウォーズなりスタートレックなりの規模でやらなきゃ駄目でしょう。
原作原理主義でなくとも、ファンからすればとんでもなくひどい駄作だった。それをわかっていても観てしまうのがファンの宿命なのだけど……。
いつかNetflixあたりでテレビシリーズ化されるのを期待したい。

ちかし