劇場公開日 2018年1月26日

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「「だれが踊ろうと自由だ」って本当は言いたかったろうに」デトロイト たくぼっくすさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5「だれが踊ろうと自由だ」って本当は言いたかったろうに

2018年2月9日
iPhoneアプリから投稿

実話系もむなくそ系も映画として好きなんだけど、これはどちらもあまりに具体的であまりに実話で、これを観たら最後、事件の目撃者として責任を持って生きていかなければならない。
実際に証言台に立たされることはないかもしれないが、決して観なかったことには出来ない映画。

あまりに実話であると感じるところは、ハートロッカーもゼロダークサーティもそうだったように、登場人物に起きているシチュエーションからこっちが逃げられない、誤魔化せない、「いやいや映画だし」と思わせてくれない感覚。この監督の凄いところ。
監督が感じた使命感や怒りや悲しみを突きつけるような、不安定な手持ちの超接近カメラが見せる汗とか擦れとか嗚咽とか、今回はそれが40分間。

このリアリティが最後までシラけないのが凄い。英語だから演技がどうとかはよくわからないけどプロットとかメッセージを伝えるセリフを超我慢して減らしてる?ありのままこの状況なら口から出そうな言葉しか発せられていないからか。

警官役の俳優の人下手したらこの映画終わってもめっちゃ嫌われそうだけど下手な尋問も嫌味な笑顔も上司への無垢な報告もピカイチだった。若いのかな?

2回は観たくないけど人に説明される前に映画館で観られて良かった。

たくぼっくす