劇場公開日 2018年1月26日

  • 予告編を見る

「目を逸らしてはいけないリアル。まさに鬼気迫る群像劇。」デトロイト 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5目を逸らしてはいけないリアル。まさに鬼気迫る群像劇。

2018年2月3日
PCから投稿

悲しい

怖い

知的

【賛否両論チェック】
賛:事件をリアルに追っていく様子が、まるで追体験しているようで、“差別”というものの現実をハッキリと突きつけられるよう。
否:事件の顛末を淡々と追う形で進んでいくので、関心が持てないと退屈してしまいそう。リアルであるが故に、観ていて痛々しいシーンも多い。

 大規模な暴動の最中で、実際に起きた事件を淡々と描いていく作品なので、その分事件を追体験しているような恐怖感があります。建前上は平等が認められていても、人間の価値観からはなかなか無くならない“差別”という存在の根強さが、浮き彫りになる気がします。
 窓から外を見ようとした少女が、狙撃手と間違われて銃撃されてしまうシーンや、自白をさせるために、別室で仲間を銃殺したように見せかけるシーン等、リアルさゆえに胸が痛むような場面が次々と描かれていくのも、観ていて辛いものがありますね。
 ハッキリと好き嫌いが分かれそうな作品だと思いますが、目を背けてはいけない現実を、是非この機会にご覧になってみて下さい。

映画コーディネーター・門倉カド