劇場公開日 2018年2月24日

  • 予告編を見る

「これほどの傑作が売れていないなんて。」さよならの朝に約束の花をかざろう つかまんさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0これほどの傑作が売れていないなんて。

2022年7月31日
iPhoneアプリから投稿

今年第一子が生まれた男です。

自分の子どもを育てているような気持ちで、
マキアが子を育てる光景を見ていました。

自分は父親なのですが、マキアの気持ちを思って、
マキアが子を育てる姿も、自分が子を育てているかのように、感情移入して見てしまいました。

作画のクオリティも驚異的に高く、日常的な仕草がとても丁寧に細かく描かれていることが、一層リアリティをもって作品にのめり込ませてくれたのかもしれません。

そしてぼくは、最後まで見て、本当に感情がぐちゃぐちゃになりました。
そしてぼくは、我が子を大切に大切に、育てていかなければならないと、改めて感じ入りました。

子を生んだことに責任を持てとか、
親としての自覚がないとか、
そんな言葉があるけれど、そうじゃない。
責任感とか、親としての自覚で、
子どもを育てるんじゃない。

愛するからこそ、子どもを育てるんだ。
そうでなくては、本当はいけないんだと思う。

そうは出来ない親がいるであろうことは、勿論分かっている。人にはいろいろな事情がある。

けれど、どんな親子もそうであって欲しいと願う。
少なくともぼくは、そうやって妻と一緒に、我が子を育てていきたいと思う。

最後に。
監督・脚本をはじめ、作画、背景、音楽、撮影、編集、etc...あらゆるクオリティが段違いであり、何よりも心に刺さる作品だった。
これほどの傑作が売り上げを出せていないことについて、作品をプロデュースした人々は、自分たちの仕事を恥じて良いかもしれない。
もっとこの作品は売れて、多くの人々に観てもらい、この先の世代に語り継がれる作品となっても良かったはずだ。
初監督作品を売り出すことは難しいかもしれない。それでも、これだけのクオリティと熱量を持った作品であれば、売り出し方はもっといくらでもあったと思う。

せめて10年先20年先に、この作品が改めてさらに多くの人々に評価しれることを願います。

つかまん